パナソニックグループでは、多様な働き方やキャリアを実現する社員が多く活躍しています。たとえば技術職の社員の場合、スペシャリストとして研究開発の道を進む人がいる一方、早い段階でプロジェクトの推進やチームを率いるマネジメント職に就く人も多くいます。技術者としてキャリアを築きながら、マネジメントにも携わる技術職社員3名にお話を伺いました。
2022年12月
プロフィール
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近森 絵里
パナソニック株式会社
東京工業大学大学院 基礎物理学専攻(現・理学院物理学コース) 修了2015年入社。入社以来、キッチン空間事業部 電子レンジ技術部に在籍し、業務用電子レンジやビルトインレンジの機構設計を担当。半年前に係長に登用。趣味は海外旅行で食べ歩きをすることと、週1回のクラシックバレエ。
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砂川 未佳
パナソニック インダストリー株式会社
大阪大学大学院 情報科学研究科修了2013年入社。入社後、組み込み系IoT通信用のソフトウェアシステム開発に携わり、2016年にドライバーモニタリングのアルゴリズム開発チームに異動。現在はパナソニック インダストリー株式会社に在籍し、センシングソリューション開発のリードエンジニアを務める。
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天羽 千佳
パナソニック コネクト株式会社
日本大学 国際関係学部卒業2017年キャリア入社。独立系SIerのエンジニアとしてシステム開発に邁進した前職での経験を活かし、入社後はクラウドを活用したインフラ事業の現場改善・現場DXなどを担う。現在は課長としてチームをまとめながら社内クラウドの利用促進やサービス提供までのスピード改善、品質向上などに携わる。
目次
「いつか私も」と思い描いていたキャリアステップ
パナソニックグループへ入社を決めたきっかけを教えてください。
私は自分の研究成果が日々のくらしに直結する家電に興味がありました。入社当時の希望が叶って電子レンジのチームに配属され、以来7年間ずっと同チームで開発を続けています。
パナソニックグループは、エンドユーザーに近い自社サービスやプロダクトで、開発に携われるのが魅力ですよね。
そうなんですよね。ただ、いずれは電子レンジ以外の製品にも携わりたいと上司に相談していたところ、「同じ製品チームでも、係長という新しい立場にチャレンジしてみる」というルートを提案いただきました。いつかはマネジメントに携わりたいと考えていましたが、予想より早いお声がけをいただいて驚きました。
私も、新卒当初から「いつかマネジメント職に就きたい」というキャリアプランを思い描いていました。というのも、私が前職に新卒として入社した2007年当時は「SEの寿命はおよそ35歳前後」なんて言われていたことがあって......独立系SIerだった前職ではとくに、年齢を重ねてからのキャリアは「開発」か「プロジェクトマネージャー」の二択しかありませんでした。マネジメントとしてのキャリアを積まないと生き残れないのではないかという危機感が潜在的にあったところに、上司からの推薦を受け、マネジメント職に就きました。
私の部署では、年を重ねることで技術者として知識やスキルが深まり、活躍している方がたくさんいます。私自身も、入社時はずっと技術者でいたいと思っていました。しかし、入社5年目から自分の幅を広げるためにもマネジメント職に挑戦したいと考えるようになり、上司の打診を引き受けました。
私はおふたりとは少し違っていて、キャリアプランとしてマネジメント職に就くことを考えていたわけではありませんでした。ただ、ソフトウェア開発はチームで動くことが基本で、状況に合わせてメンバーや分担が変わるのも当たり前。なので、数人のメンバーを見ることになったときも特に気負いはなく、自然の流れとして受け止めました。
そうだったのですね。ちなみに、おふたりは、役割と責任が変わることに不安はなかったですか? 私は打診を受けたとき、ワクワクと同じくらい不安もあって......自分の父親と同じくらいの年齢の方もいるチームということもあり、うまくマネジメントできるのか心配でした。いまでは、一人ひとりの経験を生かすチーム運営を心掛けていて、メンバーも協力してくれていると感じられているけれど、最初は本当にドキドキしていましたね。
確かに自分だけではなく、メンバーの進捗状況を見たりコミュニケーションを取ったりすることも仕事になりますよね。私の場合は、実際にマネジメント職に就く前からプロジェクトを推進するマネジメント職のような業務を経験していたこともあり、それとさほど変わらないだろうと思えたことで、あまり不安はありませんでした。
私は近森さんと同じく、不安でした。一人ひとりのメンバーの想いを尊重しながら、チームとして会社に求められている結果をいかに出すか。また、チームづくりのコミュニケーションの取り方なども、葛藤しながら進めているところです。上司と1on1ミーティングで相談したり、周りにも頼りながら試行錯誤しています。
チームだからこそできることや、大きな達成感がある
マネジメント職のやりがいやご自身が取り組んでいる工夫を教えてください。
マネジメントって、大変だけど面白いですよね。たまに、メンバーの取り組みの進捗を把握しきれておらず、「締め切りに間に合わない!」と焦る時もありますが、一方で自分だけでは思いつかないようなアイデアが出たりと、チームでやっていてよかったなと感じます。
チームが大きくなればアイデアが増えて、製品はより良いものになっていきますよね。ただ、マネジメントをする立場としては楽しむだけでなく、誰もが意見を出しやすい雰囲気づくりも重要だと考えています。私のチームでは定期的に「アイデア検討会」を開催していて、担当製品に関係する人以外からも、製品をよくするアイデアを募っているんです。
それ、すごくいいですね!困ったときに自分たちだけで解決しようとせず、他の製品の担当者や違う部署の方たちとも連携できるのは、ポジションが上がり影響範囲が広がったからこそだと思います。
あとは、リーダーとしてチームの中と外で、コミュニケーションの取り方は常に工夫しています。私は業務の話だけではなく、日常生活の話も交えながらメンバーと関係をつくっています。また、会社や部署としての方針をメンバーに伝える際も、一方的にならないように心掛けています。お互いが納得しながら進むことが、チームづくりには欠かせないですよね。
そうですね。一人ひとりが目的やゴールに納得した状態で前向きに働くチームにしたいですから。私も、仕事を依頼するときは依頼する背景などを的確に伝えるようにしています。
そういう意味だと、私は「毅然とすること」を大切にしていますね。動揺が表に出ちゃうタイプだから、なるべく平静を保つ(笑)。それから、年齢を問わず同じ態度で接することも徹底しています。
マネジメントをするようになって、仕事そのものがより面白くなったと思いませんか?ひとりじゃ到底できないようなことも、チームの力で成し遂げられる。例えば、以前は外部に委託していた実験作業をコロナ禍の影響でチームメンバーで全てまかなったのですが、コミュニケーションを密に取りながら進めたことで無事に完遂できました。メンバー一人ひとりが忙しく、限られたリソースの状況ではありましたが、全員で協力して乗り越え、いい成果が出せると、本当にうれしく思います。
すごく共感します!各メンバーに任せた開発テーマをフォローして成果が出せたときや量産に移行できたときは、自分が担当者として携わったとき以上のやりがいを感じます。チームの一人ひとりが責任感を持ちいい仕事ができたからなんでしょうね。
メンバーのモチベーションを高めて、さらに先に行きたい
次の世代の育成について教えてください。
私はメンバーに10年後、20年後のありたい姿を想像してもらえるように1on1ミーティングなどでコミュニケーションをとっていますが、なかなか難しくて。私は将来のありたい姿を描くことで、自分の仕事により前向きに、能動的に動けるようになると考えているので、仕事について「自分ごと化」してもらうのがいまのマネジメントのテーマです。でもこれもとても難しいなと思っていて......。
私も同じことで悩んでいます......!
そこでいまやりたい取り組みは「マッチング」。長年培ってきた技術を持っているベテランメンバーと、新しい技術を身に付けている若手を組み合わせて、お互いの技術を学び合ってもらうのはどうかなと思っているんです。それによりイノベーションが起きるのではないかと。
私のいるソフトウェア分野もものすごく進歩が速く、先行技術開発だから新しいことを学び続けないと立ちゆかない。業務時間内に勉強時間を確保したり、天羽さんが考えていらっしゃる「マッチング」を取り入れたりして、チーム全体のスキルアップに努めたいですね。
「マッチング」すごくいいと思いました。私も試してみたいです。マネジメントって自分自身が学びを深める機会にもなりますよね。メンバーに何かを伝えるにあたって、自分の考えをより深く見つめ、言語化するようにもなりました。
確かに。メンバーに聞かれて知らないということがなるべくないように、自分自身も新しい技術を学ぶことにどん欲になったと思います。
責任が大きくなるにつれて「これから何をつくっていくか」をさらに広い視点で考えられるようになるべきだと感じています。特にいまいる技術本部は、会社の中でも先駆けとなって新技術を生み出すチーム。会社の方向性の一部を、私たちが決めているといっても過言ではありません。そんな場所で、技術者として、そして係長として働けることにやりがいを感じています。
すごく楽しそうです!パナソニックグループは、頑張る人を応援してくれる会社。良い動きをしている人には、性別年齢を問わず、きっとチャンスが与えられるはずです。
*所属・内容等は取材当時のものです。
私が入社したきっかけは、一般消費者向けのさまざまな製品で、ヒューマンインタフェースの開発ができそうだったからです。現在は、車の運転者の居眠りや不注意状態を検知する「ドライバーモニタリング」のアルゴリズム開発を担当しています。