パナソニックの#はたらくってなんだろう ⽣産活動の全体を俯瞰しコントロールする、モノづくりの司令塔「⽣産管理」の仕事とは

笑顔の大島さんと中尾さん

モノづくりの中枢を担う「⽣産管理」という仕事。製造から販売までを繋ぐ頭脳として重要な役割を担っていますが、実際のところ具体的な業務内容はわからないという⼈も多いのではないでしょうか。そこで今回は、パナソニックグループの異なる事業会社で「⽣産管理」を担当する社員による対談を実施。⽣産管理の仕事ややりがいについて語っていただきました。

2024年06月

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プロフィール

  • 大島 勇一郎

    パナソニック株式会社 エレクトリックワークス社
    商学部商業貿易学科卒業


    2015年新卒⼊社。照明の⽣産管理としてキャリアをスタートし、3年間の現場補助を経て、施設照明のサプライチェーンマネージメント※を5年間務める。2023年から1年間、インドネシアの連結会社へ出向。⽇本での⽣産管理のノウハウを⽣かし、現地の⽣産管理プロセスの改善を推進した。2024年の帰国後は購買部⾨に所属。

    *原材料の調達から最終⽬的地での製品の配送まで、製品やサービスに関連する商品、データ、財務の流れを管理すること

    大島 勇一郎さんのプロフィール画像
  • 中尾 真緒

    パナソニック コネクト株式会社
    経営学部経営学科卒業


    2022年キャリア⼊社。航空機に搭載するモニターやサーバーなどの⽣産管理を担当。アメリカの営業部⾨からの注⽂情報をもとに、100種類以上の製品の完成組⽴⼯程の計画⽴案を⾏うとともに、リペアパーツの⽣産残や材料出庫の所要時間を⾒える化するなど、データ可視化による業務効率化・⽣産性向上の推進に取り組んでいる。

    中尾 真緒さんのプロフィール画像

目次

  1. モノづくりの司令塔、⽣産管理という仕事
  2. ⽣産管理のやりがい、魅⼒とは
  3. コロナ禍からのいち早い復活を⽀えた⼒
  4. モノづくりの現場に⼀番近い仕事
  5. ⽣産管理を通じて、これから挑戦したいこと
  6. ますます期待が広がる⽣産管理の仕事

モノづくりの司令塔、⽣産管理という仕事

笑顔の大島さんと中尾さん

「⽣産管理」の仕事内容について教えてください。

大島さんのプロフィール画像
大島

⽣産管理の業務は多岐にわたりますが、わかりやすく説明すると、⽣産活動に関わる⼀連の供給の流れを適切に管理する仕事です。最初に商品を⽣み出す「商品企画」とコミュニケーションを取り、「どんな商品を」「いつ」「どれだけ売りたいか」という事業としての意思を数字にして⽣産の計画を⽴てるのが主な業務。そこに、在庫の管理や受発注の管理などが付随してくるイメージです。

メーカーというと商品企画や研究開発などに着⽬されがちかと思いますが、企画・開発職が商品を⽣み出す中⼼とすれば、⽣産管理はモノづくりの司令塔です。お客さまに適切な納期で適切な商品をお届けする「デリバリー」、事業として健全なキャッシュフローを維持するための適切な「在庫管理」、それらの業務をスムーズに進めるための「合理化」活動が主な仕事となります。

中尾さんのプロフィール画像
中尾

たとえば私たちが通販で買い物をした時、予定より早く商品が届くとちょっとうれしかったりしますよね。でもそれは、あくまで⼀個⼈としてのケースであって、対企業となるとそうはいきません。早く届けばお客様の在庫になってしまいますし、納期が遅れるのもあってはならないことです。

航空会社向けの商材を例に挙げると、製品が届かないと機体の⽣産が遅れ、遅延した⽇数分のロスが出ます。あるいは、すでに稼働している⾶⾏機のモニターの⼀台に不具合があった場合、次の運⾏までにリペア(補修⽤部品)が間に合わなければ座席をひとつ潰すことになり、⼀⼈分の運賃が損なわれてしまう、ということになります。

大島さんのプロフィール画像
大島

在庫がたくさんあればいつでもお客さまに届けることができますが、それでは会社のお⾦を在庫に変えているだけで売上にはならないため、経営的にはどんどん悪くなってしまいます。社内連携して需要を予測し、在庫などを含めた適切な商品供給戦略を考え、製造部⾨をコントロールする。お客さまに持続的な製品供給ができるよう、製造から販売までを繋ぐ司令塔として、⽣産管理は重要な働きをしています。

⽣産管理のやりがい、魅⼒とは

現在の仕事の魅⼒、やりがいについて教えてください。

大島さんのプロフィール画像
大島

業務を遂⾏するにあたっては、サプライヤーさんと対峙する時もそうですし、社内の部署、あるいはお客さまと対峙する時も、お互いwin-winになる⽅向に持っていくことを⼼がけています。パナソニックグループでは「共存共栄」という⾔葉をよく使いますが、それを実現していくことがやりがいに繋がっています。

笑顔の中尾さんと大島さん

中尾さんのプロフィール画像
中尾

⽣産管理の仕事は各所との連携が不可⽋なので、周りの⼈へのリスペクトの気持ちは常に忘れず持っていたいです。⽴案した計画が経営数値に直結するため、時にはプレッシャーを感じることもありますが、⽣産⽬標を無事達成できた時はとてもやりがいを感じます。また、材料の納品〜⽣産〜出荷まで、⽣産活動の全体を俯瞰できることも、⽣産管理という職種の魅⼒と感じています。

コロナ禍からのいち早い復活を⽀えた⼒

打合せをしている大島さんと中尾さん

⽣産管理として成⻑を感じられたエピソード、成⻑環境について教えてください。

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中尾

業務を通じて成⻑できたという点では、コロナ禍での経験が⼤きかったですね。材料の⽣産が⽌まって納期が遅れたり、⾒通しが全くつかなかったりと、調整の嵐でとても苦しい時期が⻑く続きました。でも、そうした困難をみんなで乗り越えてきたことは⼤きな⾃信に繋がりましたし、そこで得たノウハウは今後必ず活きてくると思っています。

大島さんのプロフィール画像
大島

世界中でサプライチェーンが⽌まるなんて、誰も経験したことがない事態ですから、あの時期はどこも本当に⼤変でしたよね。ただ、照明器具に関して⾔うと、コロナの影響で他社が苦戦する中、パナソニックグループはいち早く復活して昨年度の売り上げでは過去最⾼益を叩き出すことができたんです。

その数字の源泉は、やはり、⽣産管理・調達部⾨がサプライチェーンを⽀えたことにあると思います。会社として数字が出ている=⾃分たちの業務がしっかり反映されているということですから、そこはモチベーションになりました。

私はこの春から購買部⾨の所属になりましたが、こうした不測の事態が起きた時、サプライチェーンを維持するためにどのような体制を作ることが必要なのかを企画・実⾏するような仕事もしています。

モノづくりの現場に⼀番近い仕事

⽣産管理を志望された理由、きっかけについて教えてください。

中尾さんのプロフィール画像
中尾

私は⽂系の⼤学に進学しましたが、幼い頃からモノづくりに漠然とした憧れや興味を持っており、所属ゼミでは「顧客・社会・環境に配慮した⽣産活動」というテーマで、⽇本の製造業に特化した研究をしていました。そこで、モノづくりの現場に⼀番近いメーカーの「⽣産管理」職種を志望しました。

大島さんのプロフィール画像
大島

⽣産管理はモノづくりの現場、現物、現実の三現主義に基づいて仕事ができる職種です。私もそうですが、「理系ではないけれど、モノづくりに興味がある」という⽅には良い選択肢のひとつだと思います。

また、研究開発や営業など、本当に多くの部署と関わって、巻き込んで、引っ張っていかなければならない仕事です。私⾃⾝もゼロからのスタートでしたが、実務を遂⾏するうちに、モノづくり全体の仕組みが俯瞰できるようになり、その結果、トラブルが起きた時にも社内部⾨をリードしながら解決に導くことができ、海外でも⽣産管理業務の再構築という⼤きなミッションを達成することができました。

パナソニックグループの⽣産管理には、どの製造業においても活躍できるだけの知識と経験を得ることができるほどの成⻑環境があると思っています。

打合せをしている大島さんと中尾さん

「⽣産管理」という仕事は、どんな⼈が向いていると思いますか?

中尾さんのプロフィール画像
中尾

学⽣時代の研究内容と関連する分野を選択することの多い研究開発職とは違い、⽣産管理は多くの⼈がゼロからのスタートです。⽂系でも理系でも分け隔てなくチャレンジできるので、向き不向きよりも、やってみたいという意欲が⼤事だと思います。

また、業務上の問題のほとんどは、⽣産管理だけでは解決できない事柄が多く、あらゆる部⾨の⽅と協⼒して問題解決にあたります。⽣産管理は司令塔の役割を担っているため、状況をよく理解し、冷静な判断をしなければなりません。仮にロスが発⽣する事態になっても、そのロスを極限まで減らすにはどのような計画に変更するか、最後まであきらめない粘り強さも必要です。

大島さんのプロフィール画像
大島

⽣産管理の仕事は多岐にわたるので、どんなパーソナリティも武器になると思います。⼈と話すのが好きな⼈は、対⼈関係を構築することがその⼈の武器になるし、話すことがあまり得意ではなくても、⾃分の中でロジックを組み⽴てるのが得意な⼈にはデスクワーク寄りの仕事もあります。

ほかにも、簿記や経理的な知識だったり、ITやパソコンのスキルだったり、それこそ外国語能⼒だったり。⾃分のパーソナリティ・性格も含めてあらゆるものが武器になるので、そういう意味ではあまり得意不得意は意識しなくても⼤丈夫。モノづくりに少しでも興味があれば、それはもう「向いている」ということになると思います。

⽣産管理を通じて、これから挑戦したいこと

笑顔の大島さん

仕事を通じて、今後実現していきたい夢について教えてください。

大島さんのプロフィール画像
大島

これまでは⽣産管理としてのキャリア、それも国内の照明事業をベースに考えていましたが、海外でのチャレンジ経験は私の中では有意義なものでした。⽣産管理としてのキャリアを中⼼としながら、将来は海外拠点においても、より責任ある⽴場でのチャレンジもしていけたらと思っています。照明の⽣産管理を仕事の軸としながら、世界に貢献していくことが今後の⽬標です。

中尾さんのプロフィール画像
中尾

部署の役割でもある「最⾼品質の商品を納期通りに納めることにより、お取引先の航空会社が始めたい時に、始めたいサービスを実現し、乗客の満⾜度に貢献すること」、これを⽣産管理として徹底的に追求し、お客さまの満⾜度を⾼め、より多くの航空会社様に⾃社の製品を導⼊いただくことです。そのために、各部⾨と密なコミュニケーションを取りながら無駄のない⽣産・在庫管理を進め、分析ツールやその他システムを活⽤した効率的な進捗管理⽅法を構築していきたいと考えています。

私⾃⾝、⾶⾏機に乗るのが苦⼿で、動画コンテンツやフライト情報などの機内サービスにかなり助けられています。きっと世の中には私と同じような⼈がたくさんいると思うので、そういう⼈たちにとってもフライト中の良い思い出になるよう、「当たり前に良い製品を、当たり前にお届けする」をこれからも⽬指していきたいです。

ますます期待が広がる⽣産管理の仕事

「⽣産管理」という職種を志望、あるいは興味がある学⽣のみなさんにメッセージをお願いします。

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中尾

私⾃⾝が就職活動や転職活動の際に意識していたことは、先⼊観を持たないようにすることです。結局のところ、仕事って実際にそこで働いてみないとわからないことが多いと思うんです。ゼロベースからみんなが平等にスタートを切れるので、あまり⾝構えず⾶び込んできていただければと思います。

大島さんのプロフィール画像
大島

⽣産管理は、お客さまへ持続的な供給責任を果たすため、外部環境の変化に順応し、その業務を発展させることが求められます。例えば昨今では、AIによる需要の⾃動予測学習など新たな技術導⼊が期待されていますが、⽣産管理システムとは情報技術だけでなく、そこに現場、現物、現実を落とし込み、⾃社の事業に合う形で構築していくことが必要です。このように、新しい⽣産管理の仕事をデザインしていくことも私たちの仕事だと考えています。

環境やAIなどの変化や進歩に伴い、⽣産管理への期待はますます広がっています。⾃社だけでなく、仕⼊先様など世の中の多くの企業との共存共栄を図りながら、世の中へ貢献したい、世の中からの期待に応えていきたいと考える⽅に、興味を持っていただけたらうれしく思います。

笑顔の大島さんと中尾さん

*所属・内容等は取材当時(2024年4月)のものです。

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