パナソニックグループでは、多様な働き方やキャリアを実現するために多くの社員が産休・育休・時短勤務などを活用しています。たとえば、子育てと仕事の両立では、社内制度の活用により産休や育休を取得した後も第一線で活躍し続けることが可能です。実際に産休・育休を取得した3名にお話を伺いました。
2022年11月
プロフィール
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藤木 奈々
パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社
九州工業大学大学院 情報工学研究科修了2004年入社。入社後はネットワークカメラやドアホン、ヘッドホンのソフトウェア開発に携わる。9歳と7歳の子どもがいる。
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江崎 佐奈
パナソニック株式会社
同志社大学・同志社大学大学院 電子工学部・電気電子工学科修了2010年入社。入社後は照明部門の回路チームで先行開発業務を担当。復帰後は商品開発部に異動し、住宅IoT照明の開発に関わる。2歳の子どもがいる。
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佐藤 知佳
パナソニック エナジー株式会社
早稲田大学 政治経済学部 国際政治経済学科卒業2011年入社。乾電池事業企画チームを経て、コスタリカやメキシコでの海外赴任を経験。1歳の子どもがいる。
目次
在宅勤務・時短勤務などをフル活用。子どもの急な体調不良にも臨機応変に対応できる働く環境
藤木さんのお話、すごく共感します。私の子どもも保育園に通い始めたのですが、毎週のように園から電話がかかってくるので大変さを痛感しています。私は産休と育休を1年4ヶ月取得し、復帰後は在宅勤務をメインに働いています。保育園が長く預かってくれるため、時短勤務を活用しなくてもやりくりできる状況です。
私はコロナ禍になる前に1年間、産休・育休を取得しました。産休の日程は会社が柔軟に対応してくれたので産前休暇を短くし、産後休暇の日程を長くしてもらいましたね。子どものアレルギーやアトピーがひどく病院に連れて行かないといけなかったため、復帰してからしばらくは時短勤務に。現在はフルタイムで勤務しています。
子育てと仕事の両立はできるのか? 抱えていた不安と解消方法
出産する前は「出産はキャリアのブランクになる」と勝手に思い込んでいました。当時は照明部門の回路を組む業務を担当。1年以上休んでしまうと業界のトレンドはもちろん、使用する部品や設計、システムなどが変わってしまうため、戻ったあとに技術者として役に立てるのか気がかりでしたね。あと、復帰後も子育てと仕事の両立ができるのか非常に不安でした。
出産前の不安な気持ちよく分かります! 私が入社したきっかけは、高校時代にエクアドルへ語学留学をした際に「いつか中南米で働きたい」と思ったからです。実際に海外営業部門で中南米をはじめとする海外赴任を経験。今後も「海外で働きたい」と思っていたものの「母になり子どもを連れて海外赴任ができるのか......?」と、今後のキャリアイメージに対して不安を感じていました。
また、現在私が所属している商品企画のチームには年下のメンバーがふたりいるのですが、産休・育休で職場を離れることにより、ふたりのほうが商品企画部での在籍歴が長くなる。私が一番経験が少ないことになるため、復帰後に焦りを感じたり、仕事についていけるのかプレッシャーを感じたりしそう......と考えていました。
私が産休・育休を取得したのは10年ほど前です。日本で「働き方改革」が叫ばれる前の環境だったため、残業が多かったり、ときには休日出勤をしたりするほど、仕事一直線な生活を送っていました。出産後は同じような働き方はできないため、育児しながらどのような働き方になるのかが不安でしたね。少しでも不安を軽減させるために、まわりの先輩方の話を聞いて出産後の働き方やキャリアについてイメージを膨らませていました。みなさんはどのように不安を解消していきましたか?
私は上司との面談です。面談では上司から「帰ってくるのを待っている」「江崎さんに早く戻ってきてほしい」などの言葉をかけてもらい、「復帰後はどのような仕事がしたいか?」といった具体的な話もしてもらえました。復帰後の働き方や業務内容についての話ができたことで、当初抱えていた不安は軽減したように思います。
両立については産休・育休を経験している他部署の社員に「どのように両立しているんですか?」と質問をしていました。さまざまなアドバイスや日常の過ごし方を聞き、その中で自分が合うやり方をピックアップしたことで、不安感は減っていったように思います。
私は自分の気持ちを上司に素直に伝えるようにしました。産休・育休復帰後も私はまた海外に行きたいと考えていて、子どもが生まれてもどのように働きたいか、やりたいことは何かを上司に伝えていました。上司は私の考えを理解してくれて、「いつかくるチャンスに向けて準備をしておこう」と助言をくれましたね。あとは余裕を持って引き継ぎの準備をして不安の種を解消していきました。
早めの引き継ぎ、こまめな情報共有......産休に入るまでの準備
おふたりは上司や同僚への妊娠報告、業務の調整はどのようにしていましたか?
健診のために業務を抜けることもあったため、私は早めに上司に妊娠の報告をしました。非常に喜んでもらえて、つわりがひどいときも気にかけてくれたり、産休・育休の希望時期も尊重してもらったりと、ホッとしたことを覚えています。業務に関しても私がいなくても仕事が回るように産休に入る1か月前に引き継ぎを終え、何かあったらフォローできる体制にしていましたね。
私も言い出しにくいことはありませんでした。男性が多い部署ですが、みんなが体調を心配してくれて、産休・育休の時期を気にかけてくれました。育休に入る前には、いつお休みをしてもいいように情報共有を徹底。これまで個人PCに保存していた資料やデータも都度サーバーに上げるようにし、メンバーがいつでも情報を取得できるようにしていました。
私も上司に報告したら祝福してくれました。同僚にはギリギリに伝えたのですが、雰囲気から妊娠していることは察していたそうで(笑)。私が重い荷物を持とうとするときは「江崎さん持たないで〜!」とサッと運んでくれて、部署のみんなにフォローしてもらっていましたね。
産休前の業務はひとりで抱えている開発テーマもあったため、体調に合わせて仕事量をセーブしたり、体調が良いときに一気に進めたりと、納期に間に合うよう臨機応変に対応をさせてもらいました。
想像以上にまわりは祝福してくれて、サポートしてくれると感じています。ただ、産休・育休に入るための申請関連の手続きに部内で詳しい方が少なく、「この内容で本当に合っているのかな?」と迷うこともありました。身近にもっと産休・育休を経験した人がいると助かりましたね。
そうですね。私は組合の役員をしていたこともあり、社内制度の手続きについてはある程度把握していました。ただ、制度も人によって当てはまる・当てはまらないことがあるんですよね。
人事に相談した際に「この制度は仕事状況を踏まえて上司の判断で利用できますよ」とアドバイスをもらったことがあったので、社員一人ひとりに合わせて柔軟に対応していただけるケースもあるのだと知りました。「この制度は私に利用できる?」と思った場合は、一旦人事に聞いてみると良さそうです。
「自分の理想を目指していける」産休・育休を経て分かったこと
産休・育休の期間は、振り返ればあっという間に過ぎていったように思います。
私もあっという間でした。仕事から長く離れていたので、復帰前日はどうしても不安や緊張を感じてしまいましたね。
分かります(笑)。
ですが全く新しい仕事ではなかったですし、知っているメンバーもいたため、「分からないことは遠慮せずに質問していこう!」と復帰後もポジティブに考えられ、業務に慣れていけました。また、一度仕事から離れたことで自分の人生を見つめ直すいいきっかけにもなり、今後どうしていきたいのか、やりたいことがより明確になりました。
私は「産休・育休がキャリアを止めてしまうのでは」と不安に感じていましたが、思い込みだったのかもしれません。産休・育休後のキャリアは人それぞれ。仕事をセーブして子どもとの時間を増やしたいのか、バリバリ働きたいのか、まずは自分がどうしていきたいのかを会社に伝えてみないと何も始まりません。自ら発信する気持ちを忘れなければ、会社は受け入れてくれて、希望に沿った働き方や夢を叶えるきっかけがやってくると思います。私は海外赴任を目指して動き始めています!
私も佐藤さんの意見に同感で、今後自分がどうしたいのか、上司との面談で積極的に伝えるようにしています。部署内にロールモデルがいないケースもあるかもしれませんが、協力してくれる人や、希望を優先してくれるチームメンバーが必ずいます。心配せずに自分のやりたい仕事や働き方を目指して励んでいいんだと思います。
私も現在、既存商品の開発を担当しているのですが「ゆくゆくは新商品の開発がしたいです」と伝えています。産休・育休を取得するのが不安だと感じている方は多いと思いますが、周りの人に頼って、頼られて、助け合っていける環境がパナソニックグループにはあると思います。
*所属・内容等は取材当時のものです。
私は産休と育休を2012年7月から1年間と、2015年6月から1年間の2回取得をしました。会社の制度をフル活用し、復帰後から現在も時短勤務で働いています。
時短勤務を選択したことで、余裕を持って保育園のお迎えに行けるようになり、また保育園から呼び出しがかかった場合でも柔軟な対応ができるようになりました。当時、上の子は体調を崩しやすく保育園から呼び出しの電話が頻繁にかかってきていたので、早めに仕事を切り上げて病院へ連れていくことも多かったんです。でも、上司やメンバーの協力もあったり、時短勤務を利用できたりしたからこそ乗り切れたと感じていますね。コロナ禍になってからは在宅勤務もスタート。学童の閉鎖も多く、子どもの預け先がないこともあったため、時短勤務と在宅勤務が選択でき非常に助かっています。子どもの成長に合わせて自分に合った柔軟な働き方ができると感じていますね。