パナソニックの人 西森 裕一

仕事場と西森 裕一さん

チームで力を合わせ、
「お客さまのため」を追求したい。

技術営業 西森 裕一

「将来やりたいことが、なかなか見つからない学生時代でした」。高校生の時、物理がどちらかと言うと得意だったから理系を選択。大学受験では、将来の選択肢が広そうという理由で電気工学科へ進学した。卒業が近づいても、やりたいことは定まらない。ひとつだけ確かだったのは「これ以上、勉強はしたくない」という気持ちだった。「勉強は嫌いではなかったのですが、大学院へ進む友人たちを見ていると、自分とは熱意が違うことにコンプレックスを感じていました」。そこで、就職の道を選ぶことにした。

機械を操作すると西森さん

何を軸に就職活動を進めるか。黙々と研究や開発をする仕事は性に合わない。でも、できれば学んできた理系の知識を活かしたい。道標となったのは、好きで続けてきたことだった。小学生で始めたバスケットボールは、大学で部長を務めるほどに熱中。「部員をまとめるために誰より努力をして背中を見せ、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを心がけました」。また、塾講師のアルバイトも好きだった。「それぞれの生徒に合わせて教え方を工夫することで、反応が大きく変わることがおもしろく、やりがいを感じていました」。こうした経験から、チームでコミュニケーションを取りながら進める仕事が自分に合っていると思った。そして企業研究をするなかで出会ったのが、パナソニックの技術営業。「先輩社員に話を聞くと、多くの人と接するなかで自分も成長でき、理系の知識も活かせることを、いきいきと話してくれました」。生まれてはじめて「これだ!」と思えることに出会えた気がした。

入社後、配属されたのは、セキュリティシステムや自動火災報知設備を扱う部署。オフィスビルや商業施設、工場などに対し、安心・安全を担うシステムを提供する。数年に及ぶプロジェクトも多く、技術営業の仕事は多岐にわたる。まずは受注に向け、建物の施主、設計事務所、ゼネコンといったお客さまのニーズをヒアリングし、最適な商品を提案。そして受注後は、施工会社へのレクチャー、工事のフォローなど、設置完了までを一気通貫で担う。仕事を始めると、西森は確かな手応えを感じた。「社内外を問わず、本当に多くの人とコミュニケーションをとる仕事が、自分に合っていると感じました」。同時に、膨大な知識が必要であり、決して簡単な仕事ではないことも知る。しかし、やりたい仕事ができる喜びは大きく、学ぶことは苦にならなかった。

機械をさわりながら同僚と話す西森さん

入社から2年が過ぎた頃、その後の仕事への向き合い方に大きな影響を与えるプロジェクトを担当する。大型エンタテインメント施設の自動火災報知設備リニューアルだ。「多くの来場者がいる施設なので、運営中の誤作動など、アトラクションを止めるようなことは絶対にあってはなりません。システムの機能面はもちろん、施工のやり方も含めて、非常にハイレベルな対応を求められました」。施工は基本、深夜から早朝にかけて実施。チーム一丸となって誠心誠意取り組むが、それでもトラブルはゼロとはいかず、時にはお叱りを受けることもあった。

どうすれば、お客さまの期待に応えられるか。西森が辿り着いた答えは「聞くこと」だった。「学生時代の部活やアルバイトでは、自分なりに考えて伝え、背中を見せることで、うまくいっていました。その感覚が抜け切れていなかったんです」。コミュニケーションにおいて「傾聴」を大切にすることで、お客さまが求めることをより深く把握して行動できるようになり、さらにはチームの結束も高まった。こうして、多くの人の協力も得ながら、自分の仕事をやり遂げることができた。「プレッシャーは大きかったですが、成長につながる仕事を任せてもらえたことが、ありがたかったです。また多くの人に助けられ、社内に多様なスペシャリストがいる強さも知りました。ひとりでは成し遂げられないことも、誰かに相談すれば可能になる。そのなかで、自分自身もスキルアップしていくことができます」。

笑顔で話す西森さん

西森は今、技術営業の仕事にすっかり魅了されている。「技術営業はプロジェクトの最初から最後までを見届けられるからこそ、毎回大きな達成感があります。そして最も嬉しいのは、ひとつの仕事が新しい仕事につながった時。お客さまの信頼を得た証ですから」。経験は10年を越えたが、まだまだ成長途中だという。「お客さまが何を求めるかで、仕事の幅はいくらでも広がります。それをいかに深く把握し、最適な提案ができるか。たとえばセキュリティシステムと顔認証装置を組み合わせるなど、パナソニックが持つ技術をどう組み合わせて提案するかも、技術営業に求められる仕事です。また多方面の人と接するからこそ、ニーズを吸い上げて製造部門に伝達し、商品開発に貢献することも可能。パナソニックの技術営業だからできることを、とことん追求していきたいです」。学生の頃、やりたいことがないと言っていたのが嘘のように、現在の西森にはやりたいことが溢れてくる。

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