グループ全体の未来を見据え、
組織の「調達力」を高めたい。
調達 大隅 理佐
大学院でハイドロゲルに関する研究に取り組み、学会の学生優秀発表賞を受賞したこともある大隅理佐。修了後は学んできた知識を活かして研究開発職に就きたい気持ちもあったが、もうひとつの道と迷っていた。「研究も好きだったのですが、もっと人とコミュニケーションを取る仕事も自分に向いていると思ったんです。子どもの頃からずっとクラシックバレエをしてきたこともあって、みんなと一緒に何かに取り組んだり、人前に出ることが好きだったので」。そこで研究開発と、技術営業などコミュニケーション能力を活かせる仕事の両方を軸として就職活動を始めた。
こうして悩みながらも就職活動を進めるなかで出会ったのが、パナソニックグループの調達職。製品をつくるために最適な部品や材料を市場から購入する調達の仕事について、当時は深く知らなかったが、強く興味を惹かれた。「取引先との交渉や社内の調整などコミュニケーションが重要な仕事で、グローバルなフィールドでさまざまな人と関われると知り、やってみたいと思いました」。さらに世界各国で事業展開しているパナソニックグループであれば、多様な文化やビジネス環境に触れながら成長していけると思ったこと、そして選考を進めるなかで会う社員たちの人のよさも志望度を高めた。
調達の仕事は、大きく3つに分かれている。部材の購入先であるサプライヤーの開拓や交渉・取引を行う「契約」。実際に部材を発注し納期管理などを行う「購買」。そして全体のしくみづくりや、購買・契約の支援を行う「企画・管理」。大隅は入社以来「企画・管理」として、半導体や電子部品などデバイス分野を担当している。「契約や購買の支援をしながら、今後どのような部品をどのルートで購入するのが最適かなど、将来を見据えた戦略を考え実行することが企画・管理の役割です」。具体的な業務としては、会社が推奨する部品の購入促進、業務効率化を促すITインフラの導入推進、震災などで部品の供給が困難になった際の対応など幅広い。「調達部署内だけでなく、製品の開発担当者やDXの専門部署など、さまざまな部署とコミュニケーションを取りながら進める仕事で、入社前に思っていた通りのおもしろさがあります」。そして入社時に想定していなかった、大きなやりがいもある。「グループ全体の調達動向を俯瞰して見ることができて、経営に近い仕事に携われています。自分の仕事が組織に与える影響の大きさも実感し、入社当初から貴重な経験ができています」。
現在取り組んでいるプロジェクトは、まさに組織への影響力が大きな仕事だと言える。近年の半導体不足などにより部品調達における競争が激化するなか、今後も安定したデバイスの購入を続けていくためには、サプライヤーへの影響力を高め、調達力のさらなる強化が必要。そのために大隅が所属するエレクトリックワークス社では、調達、品質管理、設計の3部署が連携したプロジェクトが立ち上がった。「部品購入におけるより明確な基準をつくり、コスト・品質・安定供給の観点からより適切な部品への切り替えを促すために、部品選定におけるフローを構築しています。ゼロから構築するのは困難ではありますが、グループの今後のために重要な仕事であり、非常に大きなやりがいがあります」。現在もプロジェクトは進行中であり、メンバーで議論を重ねながら前進している。
入社3年目の今、調達としてさらに成長するために、チャレンジしたいことがいくつもある。「より効率的な調達を実現するために、IT技術をさらに取り入れていきたいです。また現在は社内の仕事が中心なので、社外のサプライヤーさんとのやり取りも多い契約の仕事も経験したくて、特にグローバルなビジネス展開に携わりたいです。幅広い経験をしてまた企画・管理に戻ったら、会社や社会に貢献できることも深まると思います」。チャレンジへの準備として、英語を勉強中。また部署の若手メンバーで、DXツールの勉強会も始めている。
これまで業務を通じてさまざまな職種の方と接し、多様なフィールドで活躍する同期たちと交流してきた。チャレンジ意欲が湧いてくるのは、そんなパナソニックグループの環境も大きい。「周りから刺激を受け、視野が広がる機会が多いですし、挑戦を歓迎する風土があるのでやりたいことがどんどん出てきます」。さまざまな人と接する仕事がしたくて、調達を選んだ大隅。人との出会いが、前に進む力をくれる。今後もたくさんの人と出会い、新しい経験をして、自分の力を広げていくのだろう。