パナソニックの人 山﨑 菜々子

仕事場と山﨑 菜々子さん

新しいくらしのしくみを、
街じゅうにデザインしていきたい。

デザインコンサルティング 山﨑 菜々子

「『デザインコンサルタント』ってご存じですか。コミュニケーションやビジネス、システム、空間など対象によってさまざまですが、事業の方向性を決めるビジョンデザインからプランニング、実施までトータルに支援する仕事です。新規事業や全社横断の活動などパナソニックグループ全体を対象に活動しています」。山﨑の所属するデザイン本部 未来創造研究所のメンバーはデザインやマーケティングといった多様なバックグランドを持ち、プロジェクトに合わせてチームを編成して業務にあたる。山﨑は住宅関連のデザインを担っていた経験から、空間やまちづくりに関する業務を担当することが多い。

パソコンを操作する山﨑 菜々子さん

山﨑は直近まで2年間、アメリカにあるMITメディアラボに客員研究員として駐在し、シティ・サイエンス グループという都市計画を研究するグループに所属。「小型モビリティとまちづくり」をテーマに、パナソニックとの共同研究を現地の研究者たちと推進していた。MITメディアラボとはマサチューセッツ工科大学の建築・計画スクール内にある研究所。社会課題に着目した先行的なアイディアを発信したり、分野横断の研究プロジェクトを行う。「私が進めていた研究はまちづくりのしくみを考え、環境にやさしい自転車など小型モビリティの活用推進をめざす取り組みです」。駐在終了後の現在は、日本で実証実験に着手。新しいくらしのしくみづくりが動き出している。

仕事の魅力を山﨑に聞いた。「さまざまなジャンルの専門家とコラボレーションし、意見を交わすことは興味深く、プロジェクトに気付きを得られることも多いです」。今まで関わってきたのは、国内外の建築やまちづくり、データサイエンスの研究者、社内の製品開発者、そして行政関係者。「実践を積んだプロフェッショナルな方々の話は説得力が違います。そのナレッジやスキルを活かしてアウトプットをつくり出すことはたのしいですね」。いろいろな領域の知見を深められることも、仕事をおもしろくしている。

笑顔の山﨑 菜々子さん

入社時の山﨑は、住宅関連の製品デザインをしていた。しかし、その舞台となる住宅の未来を検討する活動をきっかけに、くらし空間全般のデザインに携わりたいと思うようになった。そんな時、社内異動制度(eチャレンジ制度)の募集に「くらしや社会の未来を創造する」という部署を見つけ応募した。未来創造研究所だ。異動してからは、藤沢や綱島の工場跡地を活用したサスティナブル・スマートタウンのコンセプト立案や建物、生活サービスの企画に参画。100周年記念事業のパナソニックミュージアムでは幅広い年齢層の来館者に理解を深めていただけるか苦心しながらUXデザインを考え、展示企画、制作監修を行った。そして現在取り組む「新しいまちのしくみづくり」。製品、建物、まち、社会...徐々に対象を広げながらも、常に「人」を中心に捉え未来のくらしをデザインしてきた。「これこそ学生時代に思い描いた『くらしのスタンダードをデザインする仕事』なんだ」。山﨑はそう実感している。

大学で学んだのはデザイン工学だった。くらしの課題を見つけ、解決するソリューションやプロダクトを立案。コンセプト設定、背景調査、プロトタイピングまで行う。多忙ながら学部3年生の時には、国際的な化粧品会社が主催するマーケティングコンペに挑戦。日本大会で優勝し、国際大会に出場した。この経験が世界を舞台に仕事をすることに興味を持つきっかけとなった。大学院ではデザインマネジメントの研究室に所属しながら、サービスデザインやUXデザインも研究した。

笑顔で語る山﨑 菜々子さん

さまざまな産学連携プロジェクトにも参画していた山﨑は、華やかなエンターテインメント領域より、くらしに根ざし社会のベースを変えていくことに意義を感じた。就職活動でパナソニックに興味を持ったのも「くらしのスタンダードづくり」をしていたからだ。インターンシップに参加した時、社員の仕事に取り組む熱い姿勢も心地よく、就職を決断した。入社して気付いたのは、実践する大切さと行動する社員をサポートする風土。最初の配属先では課題に悩んでいると「まず動く!現場に行く!」と仕事のスタンスを教わり、異動の際は「寂しいけど、ここで学んだスキルを活かして頑張って!」と笑顔で応援してくれた。MIT派遣も「海外の仕事に関わりたい」という希望をくんでチャンスを与えてくれた。「だから私も『まず動いてみる』。いちばん大切にしていることです」。

山﨑には挑戦したいことがまだまだたくさんある。「社会貢献につながる事業を加速させたい」。「社会と企業のいい循環のカタチを築きたい」。「日本ならではのソリューションを海外に展開したい」。どんな目標も熱く動き出せば、まわりが背中を押してくれるはずだ。

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