パナソニックの人 徐 曼

仕事場と徐 曼さん

世界中のお客様の課題をデバイスで解決し、
社会を豊かにしたい。

営業・マーケティング 徐 曼

「言葉も文化も違う人たちのなかで過ごしてきた学生たちが、みんな目をキラキラさせて語るんです。自分の価値観が変わったって。表情まで違っていて。すごく感動しました。私もそんな体験がしてみたいって思ったんです」。自分は普通に大学に行って、普通に就職して、平凡な人生を歩むのだろう。ずっとそう思っていた。しかし彼女は、学生たちの海外インターンシップを支援する活動に参加するようになって変わった。最初はスリランカ。その後は日本へ。現地の企業で、インターンシップとして働くなかで分かってきたのは、その国に行き、その国の人と話さなければ、その国の本当のことは分からないということ。この世界を、もっと自分の目で、耳で知りたい。まずは中国と近く、くらしやすかった日本から。こうして彼女は、大学院だけでなく、就職先も日本で探した。

パソコンに向かう徐 曼さん

さまざまな国と関わりながら働けるグローバル企業であること。そして社会にいい影響を与えられる企業であること。未来のありたい自分を思い浮かべた時、その2つが会社選びの軸になった。絞り込んでいくうちに気になったパナソニックの説明会に行ってみると、そこで「企業は社会の公器」という言葉を知った。意味が分かるにつれ、自分の理想の企業像と一致していると思った。そしてその姿勢が、社員の行動に根付いていることを知ると、彼女は次の1歩を踏み出す場所をパナソニックに決めた。

パソコンなどさまざまな機器のなかにあるデバイスを売るBtoB営業。それが、彼女の志望だった。「その方がより海外と関わって働けると思ったんです。それに自分が売ったデバイスがいろんな商品に入って、世界のくらしを変えることができたら素敵だなって」。しかし配属されたのは、確かにデバイスを売るBtoB営業ではあったけれど、海外に拠点を持つ日本企業をお客さまとする国内担当部署だった。「最初は国内で、いろんなことを学んだ方がいい。デバイスや日本語など、学ぶことはいっぱいある。その経験は絶対、将来のためになる」。人事担当者の説明に納得したが、中国出身という自分の武器が本当にここで活かせるのか、不安だった。

総合空調メーカー担当の営業。それが彼女の仕事だ。キャパシタや抵抗器、センサ、モータといった電子デバイスやサービス提案まで、各カンパニーの商材を幅広く取り扱っている。これらのデバイスは、今やあらゆる機器に組み込まれており、豊かな社会づくりになくてはならない存在だ。企業のお困りごとを解決し、その製品やサービスの質の向上にも貢献ができる。そのため、お客さまの調達部門や技術部門などさまざまな部署の人とコミュニケーションを取りながら、社内の事業部とも連携し、拡販活動を行っている。

仕事に集中する徐 曼さん

相手先の担当の方と直接やり取りすることが求められる仕事だから、日本語が、そして専門用語が分からなくては始まらない。「技術の社員と一緒に打ち合わせに行って、内容を議事録にまとめたり。分からないことは後で聞いて回ったりして少しずつ覚えました」。そしてお客さまへの商品説明を日本語でできるようになると、また海外への想いが頭をもたげるようになった。

「先輩からのアドバイスで、自分で企画書を書いて、海外の仕事をつくることにしたんです」。これを上司に見せたら何て言われるんだろう。おそるおそる提出してみると、じっくり確認された後で「いいよ、行っておいで」と言われた。念願だった海外出張は、こうして拍子抜けするほどあっさりと決まった。

お客さまの中国の研究開発拠点に、新しい商品を提案しに行く。相手は日本人の方だから、プレゼン資料は日本語でつくった。何度も上司や先輩に確認してもらったから、何を聞かれても答えられる自信がある。しかし現地で、思いがけないことが起こった。その拠点では中国人のエンジニアが多かったため、急遽中国語でプレゼンをすることになったのだ。中国語の準備はしていない。目の前には自分を見つめる10人ものエンジニア。意を決して、彼女は夢中で説明した。返ってくる専門的な質問にも必死で答えた。うまくできたのかは、よく分からない。でも帰国して、上司へ報告を終えた後、先輩に言われた。「行く前に立てた目標、半分くらい達成できればいいって言ってたけど、ほとんど全部達成できたんだ。すごいね」。その言葉を聞いて、ずっと心の奥底にあった不安は、少し自信へと変わった。

笑顔の徐 曼さん

「中国語と英語と日本語、そして専門用語。相手と同じ言葉で話すから、ちゃんと伝えられるし、信頼もされる。この部署での日々はすべて自分のスキルを活かすためにあったんです。人生にはムダなんてひとつもないことを知りました」。最近は中国だけでなく、タイやマレーシア、欧州などとの仕事も増えてきている。毎日が新しい世界への冒険、彼女が生きているのはそんな日々だ。

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