パナソニックの人 増本 真菜

仕事場と増本 真菜さん

ブリッジエンジニアの
技術的知識を身に付け、
開発チームをリードしたい。

設計開発 増本 真菜

増本真菜には、尊敬する父がいる。父は小さな会社を経営していて、仕事柄、さまざまな人との付き合いや縁を、何よりも大切にする人だった。「自分のお金や時間は、友達のために使いなさい」。そんな父の言葉をいつも聞かされて、彼女は育った。そのせいか、友達と会える学校が大好きで、友達と会えなくなる夏休みは好きになれなかった。

大学は、医療機器を開発する生命医科学部医情報学科に進み、電気回路について学んだ。そして、大学3年の終わりに、休学してカナダに語学留学をする。滞在先は、多文化で国際色豊かな都市、トロントを選んだ。彼女は、自分から声をかけて友達を沢山つくった。そして、さまざまな国の人達との交流を通して、さまざまな文化や価値観に触れた。「現地の人と話をして面白いと感じたのは、何でもプラスに捉えて生きるポジティブな文化です。とにかく褒めるんです。相手のことも、自分のことも。謙遜の文化で育った私には、それが痛快で、大きな刺激を受けました。それは、今の私の人との付き合い方にもつながっていて、相手のことをきちんと受け入れた上で、自分の意見はしっかり言うようにしています」。

笑顔で会議する増本 真菜さん

半年間の留学後、帰国して就職活動を始めた。希望の条件は、「事業領域が広く、グローバル展開している会社」。それは、彼女には「さまざまな国のいろんな人と一緒に仕事ができる」という意味だった。さらに、「仕事が好きな社員がたくさんいること」にもこだわった。「私は、自分の仕事を好きと言える人生でありたいと思っています。お金のためじゃなく、仕事が好きだから働いている。そんな人達と一緒に働きたいと思い、面接でお会いした人全てに自分の仕事のどんなところが好きかを聞きまくりました」。そして、彼女は、パナソニックを選んだ。

配属されたのは、店舗のレジなどで使われる決済端末を開発する部署のソフトウェア設計開発スタッフ。最初の仕事は、新機種の取扱説明書の作成だった。決済端末の知識が全くなかった彼女は、先輩に教わりながら、一から製品の仕様を学んだ。その後、アメリカの販売拠点で1カ月間業務を行う研修プログラムに参加する機会に恵まれた。彼女は、現地の営業職が集まる製品の勉強会や販売会議などに積極的に参加。彼らがお客さまに製品を売るために、何をどう考えてアプローチするのか。それを実際に見て、肌身で感じ取った。「いちばん印象に残ったのは、カスタマーファーストの視点です。『お客さまはどう思うかな? お客さまは本当にそれを望んでいるの?』 責任者の方に、そんな問いをいつも投げかけられ、考えさせられました。当時の私は、つくる側の視点しか持っていなかったので、とても貴重な経験をさせていただいたと思っています」。

キーボード操作をする増本 真菜さん

帰国後、いよいよソフトウェア設計開発者としての仕事が始まった。入社2年目には、決済端末に載せるアプリの設計から実装、テストまでを担当。無事納品することができた。現在は、今後リリース予定の、決済端末に搭載されるアプリの開発リーダーを務めている。「カード会社など顧客の要望する機能を有し、且つ、お店の人やお店を利用するお客さまが使いやすいアプリにするにはどんな仕様がベストか?」「他のアプリとの連携をどうするか?」などをプロジェクトメンバーと相談し、海外のパートナー企業の協力を得ながら開発を進めている。中国とベトナムにある企業に、プログラミング作業を依頼。彼女が書いた設計書を送り、主に英語で説明し、進捗や納期の管理までを行っている。「決済端末には、複数のアプリが搭載されています。そのアプリ同士で上手く連動できるように、各担当スタッフがそれぞれの技術を持ち寄って議論しながら調整し、ひとつの製品をつくり上げていく過程に魅力を感じています。また、海外パートナー企業への業務委託では、言葉も考え方も違う方々とコミュニケーションを取りながら開発を進めていくことがとてもたのしいです」と、この仕事の魅力を語ってくれた。

笑顔の増本 真菜さん

多種多様な人との出会いを求めてパナソニックに入社した彼女には、夢がある。「将来的には、海外企業との橋渡しをするブリッジエンジニアになり、開発チームをしっかりとリードできる人材になりたいです。そして、日本に限らずグローバルなフィールドで仕事をすることで、ひとりの人間としても成長したいと思います」。そう言って、彼女はとびきりの笑顔を見せてくれた。

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