パナソニックの#はたらくってなんだろう パナソニックのモノづくりはここから始まる――スペシャリストが育つ「調達」という仕事

志水さん、スウィージーさん、東さんの写真

「調達」と聞いて、どんな仕事を思い浮かべますか? パナソニックグループが取り組むさまざまなモノづくりにおいて、「調達」の仕事は重要な役割を担っています。今回は「調達」を担当する社員と、2023年入社予定の内定者おふたりによる座談会を実施。「調達」がどんな仕事なのか、そのやりがいとは何なのかについて語っていただきました。

2023年02月

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プロフィール

  • スウィージー 弾

    パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
    コネチカット・カレッジ 東アジア学科卒業

    2011年入社。入社後は原材料のアルミ地金の契約と購買を担当。2017年4月~2019年3月まで滋賀県草津市の工場にてエアコン・給湯器の銅配管契約業務を担い、2019年4月以降は原材料の銅地金の契約と購買を担当。海外事業部の銅地金価格安定化に取り組むと同時に、戦略的契約案の構築や、非鉄材料におけるCO2排出量見える化の取り組みも推進。

    スウィージー 弾さんのプロフィール写真
  • 志水 紗世

    京都大学大学院 農学研究科 熱帯農業生態学専攻

    マンゴー葉の高温耐性の品種間比較の研究に注力。マンゴー100品種の高温ストレス耐性を比較し、環境に適した品種の選択肢を提示することを目指している。カフェでのアルバイト経験を通して製品やサービスをお客さまの元へ届ける楽しさを実感し、「人々の生活を支え、より豊かなものにできるようなモノづくりに携わることができる仕事に就きたい」とパナソニックグループを志望。

    志水 紗世さんのプロフィール写真
  • 東 和樹

    立命館大学 経済学部 経済学科

    国の経済的発展に興味を持ち、発展途上国に携わる開発経済学の研究を行う。コロナ禍前には、タイの地方経済の発展を目的とした政策などを学ぶために留学。現地の大学生や住民の協力のもと、多くの村に訪れフィールドスタディに取り組む。パナソニックグループに興味を持ったきっかけは、世界中に影響を与えるグローバルな会社であったことと、自身が関西出身だったことから。

    東 和樹さんのプロフィール写真

目次

  1. コロナ禍の就活、パナソニックグループを志望したきっかけ
  2. 「私たちがいないとモノづくりができない」 調達の仕事とは
  3. 調達の基礎を学んだインターンシップ
  4. 調達には"調達ならでは"のやりがいがたくさんある

コロナ禍の就活、パナソニックグループを志望したきっかけ

志水さん、東さんに話しかけるスウィージーさん

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

おふたりは大学生になってから新型コロナウイルスが流行した世代だと思いますが、就活は基本的にオンラインだったんですよね。いろいろな苦労があったんじゃないでしょうか?

東 和樹さんのプロフィール写真

選考は全てオンラインでした。ただ私の場合、最終面接をしてくれた方がインターンシップでお話したことのある方だったので安心して臨めました。初対面の方だったら不安だったと思います。

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

私も面接は他社も含めほとんどオンラインでした。一部対面の面接もありましたが会議室に通されるだけで、オフィスの中を見て回れるような機会はありませんでした。

東 和樹さんのプロフィール写真

あと自分のまわりの雰囲気も去年とはまた違っていましたね。ひとつ上の先輩方はゼミのみんなで情報共有しながら就活を進めていたようでしたが、私たちの代は新型コロナウイルスの影響で大学に行き直接顔を合わせることが少なかったからか、個々で活動する人が多くて。「ここにエントリーした」「ここに受かった」という結果報告だけを共有し合うような感じでした。就活が進んでいる人とそうでない人の差が明確にわかってしまうので、焦ってしまう人もいたと思います。

私はモチベーションを保つためにもなるべく誰かとつながるようにしていて、高校の同級生や、就活で新たにできた友だちと定期的にオンラインで話したりして、「一緒に頑張ろう」と励まし合っていました。

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

私は、ほとんど周りと情報交換していなかったです。そもそも対面のイベントがあまり多くなかったこともあって、就活で友だちをつくる機会もなくて。ただ私の場合、学部時代の友だちがすでに社会人だったということもあり、そういう子から仕事についての話を聞いていました。

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

なるほど。それぞれ工夫されて就活に取り組んでいたんですね。そんな中、おふたりはどうしてパナソニックグループを志望したんですか?

笑顔で話す東さん

東 和樹さんのプロフィール写真

私は世界で挑戦したいという想いがあって、世界中でビジネスを展開しているグローバル企業である点がまず合致していました。実際にインターンシップに参加して、スウィージーさんのように海外に携わる方のお話をたくさん聞き、「この会社なら自分もたくさん挑戦し成長していけそう」と実感できました。また、インターンシップでスウィージーさんから調達の仕事内容を詳しく教えていただいたことで、自分がパナソニックグループの調達として働く姿や今後のキャリアを具体的に想像できたことも大きいです。

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

私はカフェでアルバイトをしていた経験から、モノやサービスを届けてお客さまに幸せを感じていただくことのできる仕事をしたいと思っていました。研究することが好きな部分と、お客さまに幸せを届けたいという部分。このふたつから、実際の製造過程や商品が届くプロセスに携わりたいと思うようになり、モノづくりに携われる会社を見ていきました。 その中でもパナソニックグループは事業範囲が広く多岐に渡るため、常に新しいことに挑戦したくなる私でも、入社後、もし「別の事業や仕事に携わりたいな」と思っても、いろいろなことに挑戦できるのではないかと思い志望しました。

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

おふたりとも、最初からすごく明確な想いがあったのですね。私は父がメーカー務めでモノづくりの会社には昔からなじみがあり、メーカー企業を見ていく中でパナソニックグループに出会いました。私が就活をしていた2011年当時、パナソニックグループは海外進出に力を入れていて、「グローバルチャレンジャー求む」という採用スローガンを掲げていたんです。私はちょうど海外の大学にいたので、「自分のことかも」とピンと来ました。

最終的に入社を決意したのは、面接を担当してくれた方々の人柄でした。パナソニックグループでの面接は、すごく親しみやすかったのと同時に、ギラギラとした熱意のようなものを感じたんです。「グローバルチャレンジャー求む」というスローガンに負けないくらいの熱さを、人事の人たち自身が体現していた。その嘘偽りない姿が素敵だなと思い、入社を志望しました。

「私たちがいないとモノづくりができない」 調達の仕事とは

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

数ある職種のなかでも「調達」に興味を持ったきっかけはなんですか?

笑顔で話す志水さん

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

最初は食品系会社の研究職を入社先として考えていたんですが、それは「農学部=食品系」「理系=研究職」という固定概念が自分の中にあるからかもしれないと感じました。そこで改めて自己分析をしていくなかで、「食品や研究にとらわれる必要はない」と思ったんです。そんなとき、他社で、理系出身で調達の仕事をしている方にお話を聞く機会がありました。それで興味を持ち調べる中で、理系の知識を生かして活躍できることを魅力に感じたのがきっかけです。

その後、「この仕事についてもっと知りたいな」と思って探していたら、ちょうどパナソニックグループが調達のインターンシップを募集していて。実際に調達の仕事に触れることでより学びを深めたいと思い、インターンに応募しました。想像していた通り調達の仕事は自分に合っていて、この仕事に就きたいとより一層強く思うようになりました。

東 和樹さんのプロフィール写真

私は大学3年生のときに、ゼミの先輩が就活セミナーを開いてくださって、そのときにパナソニックグループの調達として活躍する先輩に話を聞く機会があったんです。海外に行くチャンスがあることや、若いうちから活躍できることなどを詳しく聞けて、興味を持ちました。それで調べていったら、志水さんと同じようにインターンの募集を見つけて、参加したという流れです。

就職活動にあたり、私にはふたつの軸がありました。ひとつは「グローバルで活躍できること」。タイやラオスに留学したとき、現地の方々の優しさに触れ、就職後はこうした国で活躍したいという想いがありました。

そしてふたつ目は「ひとつの仕事を極められること」です。さまざまな職種をローテーションしていくのではなく、特定の職域でスペシャリストになりたいという想いがあります。調達の仕事は、世界情勢を踏まえながらモノづくりに対するプロフェショナルになれるイメージが、自分の中ですごく湧きやすかったです。

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

実際に調達の仕事をしているスウィージーさんから見て、どんな所に魅力を感じていますか?

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

私たち調達がいないとパナソニックグループのモノづくりは始まらない、それだけ大きな責任感と影響力のある仕事だという点です。調達とは、簡単に言えば「担当した資材を、世界中から"安定的"に調達して、モノづくりを"安定的に"進められるようにする仕事」。私たちが調達してきた資材が、工場に届き、電池やエアコンなどになっていきます。

また調達のもうひとつの役割として「情報屋」であることが挙げられます。世界情勢が日々変化するなか、業界に関する最新の情報を集め事業部へ適切にフィードバックすることで、会社の今後の戦略構築にも貢献することができます。ですから競合他社・取引先・サプライヤーの動きについて常にアンテナを働かせることも、私たちの重要な仕事です。

左から、スウィージーさん、志水さん、東さん

東 和樹さんのプロフィール写真

海外から商品を買い、国内で必要としている人へ販売するという点で、最初は「商社に似ているのかな」というイメージがありましたが、少し違いました。

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

そうですね、確かに商社と共通している点もあります。一方でメーカーの調達の特徴は、良質な材料や部品を確保し、必要な量を確実に工場へ届けることで、実際の生産に結びつくという点です。

つまり工場との連携も重要なポイントになります。私たちが商社やメーカーを介して契約を取り付けたとして、それが供給先に必ずしも届くわけではありません。たとえば船が足りない、コンテナが足りないといった事態が発生し、資材が納期通りに届かないことが発覚したとします。そういったときはトラブルの内容を把握し、製造ラインへ伝達、必要に応じてサプライヤーと交渉を行い、代替策を講じるのも調達の仕事です。買う契約だけではなく、供給して製品の生産に結びついた時点で、初めて調達の職務を完遂できたと言えます。

調達の基礎を学んだインターンシップ

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

おふたりは調達のインターンシップに参加されていましたが、どんなプログラムでしたか?

東 和樹さんのプロフィール写真

私は「銅線の集中契約」をテーマに、銅地金や銅の加工会社について学びました。コロナ禍ではありましたが、サプライヤーさんから許可をいただき、実際の加工現場を見せていただきました。また、その加工会社の社長さんから市況感や製造工程、パナソニックグループとの連携についてお話を直接聞くこともでき、調達という仕事はさまざまなサプライヤーさんと共に良い商品をつくっていく仕事なんだと実感しました。

サプライヤーさんがいなかったらパナソニックグループも成り立たないし、パナソニックグループがなかったらサプライヤーさんも成立しない。まさに「共存共栄」の関係にあることがよく理解できたインターンシップでした。

笑顔で話す志水さん

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

私は「間接材の調達契約」をテーマに、オンライン中心のインターンシップでした。事例をもとに調達の基本的な考え方を学びました。印象深かったのは、購入先のことをすごく尊重して、そのうえで妥協点を探っていく仕事であること。また、工場の要望を聞いて、それに合ったものを探しに行くという点では、営業職に近い部分もありそうだと感じました。

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

そうですね。営業であれば売上が直接業績に表れるのでわかりやすいですが、調達は自分たちがモノを売ってお金をいただくわけではないので、ピンと来づらい側面もあります。でも、当然私たちの仕事も、経営や会社に大きな影響を及ぼしているんです。

たとえば最近話題になっている、原材料の高騰。鉄や銅を主とする原材料の高騰によって、製造業各社でも1,000億円以上の収益圧迫要因となっています。パナソニックグループも決して他人事ではなく、当社の営業利益が3,200億円である事を踏まえると、非常に大きいインパクトである事がわかると思います。調達が原材料の高騰に適切な対策ができるかで、経営に対するインパクトを軽減できる。そう考えると、身が引き締まる思いがしますよね。だからこそ、やりがいも責任もとても大きい仕事なんですよ。

また、環境に対しても大きな責任を担っています。最近はESGなど環境に対する取り組みが注目されており、パナソニックグループも2050年までに全世界のCO2排出量の1%となる3億トンのCO2削減を目指しています。現在パナソニックグループが自社で排出しているCO2排出量は1.1億トン、このうち「調達した資材・製品から発生するCO2」は15%を占めています。資材を安定的に買ってくることも重要ですが、CO2排出量が低い資材をコストのバランスを見ながら買ってくることも、これからの社会で求められる調達のミッションなのです。

笑顔で話すスウィージーさん

調達には"調達ならでは"のやりがいがたくさんある

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

志水さんと東さんは、入社後どんなことにチャレンジしたいですか?

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

自分のできることを増やして、海外でも活躍できるようになりたいです! そのためにも、まずは英語力をつけたいですね。実際に英会話レッスンにも通い始めていて、入社する頃には少しは話せるようになれるようがんばっています。

あとはインターンシップやスウィージーさんのお話を聞いて、改めて情報収集が大事な職種だと感じました。私は世界経済についてまだ理解が深くないと感じているので、経済のことも勉強して、入社後なるべく早く戦力になれたらなと思います。

東 和樹さんのプロフィール写真

私は世界に通用するような「調達のプロ人材」となり、社会のさまざまな問題解決に貢献したいです。具体的な希望としては東南アジア拠点に赴任して、現地で責任者の立場に就きたい。最初はできることからコツコツやっていって、時には失敗するかもしれないけれど、それを糧に成長していけたらと思っています。

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

頼もしいですね!調達の仕事は海外出張が多く、中国やアメリカなどのサプライヤーと協議しに行っています。海外出向となると人数は限られますが、年次の浅い方にも経験を積んでもらうためのチャンスは多くあると思います。

私は今後、北米・欧州の開拓に挑戦したいと思っています。今後、アメリカでは二次電池、欧州では空調とさまざまな事業が拡大していきますが、私たちグローバル調達本部がアメリカなどのメーカーや工場に対し調達活動を通じてお役立ちする余地はまだまだ大きいと考えています。

東 和樹さんのプロフィール写真

世界各国の方とのコミュニケーション、とてもワクワクします!私は「調達のプロ人材」になるには人との信頼関係が大事だと考えています。そのために、人間的な成長が大切だと思いますが、パナソニックグループには多様な先輩がたくさんいらっしゃるので、良いところをたくさん吸収していきたいです。

志水 紗世さんのプロフィール写真
志水

パナソニックグループの調達はグローバルに活躍できる仕事だと思うので、いろいろな価値観やバックグラウンドを持った方とコミュニケーションが取れるのが楽しみです。私はロジカルなタイプだと思いますが、感覚的に動く部分も持ち合わせているので、その両方を生かしながら働けたらと思います。

左から談笑する志水さん、スウィージーさん、東さん

スウィージー 弾さんのプロフィール写真
スウィージー

学生の方と話していると、よく「人と接することが好きなので、営業を担当したい」という言葉を聞きます。私も学生時代はまったく同じ理由で営業を志望していたので、調達に配属となったとき、正直なところ最初は戸惑いもありました。でも調達を経験してみると、各国の購入先さまや、工場の技術・生産管理の方々とお会いし、試行錯誤しながらさまざまな課題を解決していく過程はまさに営業と同じだったんです。ただ営業との違いは、「調達はサプライチェーンの川上にいて、私たちからパナソニックグループのモノづくりが始まる」こと。調達には、こうした「ならでは」の面白さもあります。この仕事の魅力を、もっと多くの方に知ってほしいなと思っています。

*所属・内容等は取材当時のものです。

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