パナソニックの#はたらくってなんだろう IoTで新たなサービスを生み出し、洗濯機をさらに進化させる

洗濯機の横で腕を組む中込 光輝さんと宇美 紘太郎さん

2022年4月に予定される持ち株会社制への移行を見据え、今年10月、パナソニックで新たに発足された「くらし事業本部」。白物家電や空調・電気設備など、人々の「くらし」に密着した商品・サービスを提供する同組織において、洗濯機・掃除機の開発を手掛けているのが「ランドリー・クリーナー事業部」です。なかでも今回は、洗濯機領域で働く魅力や、今このタイミングで同社に加わるメリットについて、主任技師の宇美紘太郎氏と、転職して第一線で活躍中の中込光輝氏にお話を伺いました。

2022年01月

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差別化の焦点は「ハードウエアの機能」から「サービスの創出」へ

  • 宇美 紘太郎

    パナソニック株式会社

    宇美 紘太郎さんのプロフィール画像

はじめに、パナソニックが「くらし事業本部」を新設した背景や、同組織のミッション・ビジョンについて教えてください。

パナソニックは2022年4月に持ち株会社制への移行を控えており、くらし事業本部の発足もそれを見据えたものです。当事業本部は「くらし」領域において、白物家電や空調、照明、電気設備など、家庭から店舗・オフィスに至るさまざまな空間に対応した商品・サービスを提供する部門で、持ち株会社制移行後はホールディングス会社の傘下で、「新パナソニック」として独立します。

グループ体制刷新の狙いは、「専鋭化」にあります。専鋭化とは、事業領域を絞り込み、高い専門性を磨き上げるということ。パナソニックには家電、法人向けソリューション、電池など、多様な商品・サービスがあり、その特性ごとに事業の最適なあり方やお客様への提供の仕方は異なります。持ち株会社化により各事業に大胆な権限委譲を行うことで、「自主責任経営」を徹底し、各事業の目的に合った形で競争力・スピード感を高めていくことを目指します。

そのなかで、くらし事業本部は幅広いお客様と向き合って、心と体の健やかさを提供する「パナソニックらしい価値」を創出することがミッション。事業会社内でのシナジーや総合力を生かして魅力ある商品・サービスの開発を進めるとともに、成長著しい中国市場での家電・住空間関連の事業拡大にも挑んでいきます。

くらし事業本部のなかでも、ランドリー・クリーナー事業部はどのような役割を担っているのでしょうか。

ランドリー・クリーナー事業部は読んで字のごとく、洗濯機と掃除機の開発を行う部署で、他にも「トワレ」といわれる温水洗浄便座やアイロンなども扱っています。私自身は今、洗濯機のソフトウエア開発を担当しています。

パナソニックの洗濯機は、現在国内シェア25%とNo.1のシェアを有し、なかでもドラム式については45%という圧倒的なトップシェアを誇っています。もともとななめドラム式洗濯機を初めて世に送り出したのは当社で、スマートフォンとの連携や洗剤の自動投入などの機能も業界に先駆けて実現してきました。お客様と向き合い、必要と思われる機能を競合他社に先んじて搭載し、改善を続けてきた。そのことが、現在の高いシェアに結び付いていると考えています。

宇美さんが担当する洗濯機の開発において、近年どのような変化が起きていますか。

従来は、「ハードウエアにどのような機能があるか」が一番の差別化ポイントでした。しかし最近では、IoTなどを駆使して「どのようなサービスをお届けできるか」が重要な課題になっています。

例えば、当社の最近の洗濯機は、スマートフォンアプリで外出先や家のなかの離れた場所からも洗濯機の操作ができるようになっています。また、帰宅時間に合わせて洗濯・乾燥が終了するようスマートフォンから設定するなどというのは、もはや当たり前。今年発売の最新機種では、洗濯のコース選びも細やかにサポートできるようになりました。普段着・おしゃれ着・スポーツ着などアイテムを選んだ後、「黄ばみを落としたい」など目的や手段を入力すると、それに合ったコースをご提案します。こうしたIoTを用いた新サービスの開発は、今後他社との差別化を図るうえでますます大きなテーマになるでしょう。

さらに言うと、今後は洗濯機・乾燥機というくくりではなく、「衣類ケア事業」として衣類全体をどうケアしていくかという観点から提案をしていきたいとも考えています。服には、「選んで」「着て」「洗って」「乾燥させて」「収納する」というサイクルがあります。しかし、現在の洗濯乾燥機では、そのうち「洗う」「乾燥させる」という一部しか対応できていません。その領域をいかに広げて、「どう選ぶか」や「どう収納するか」まで踏み込んでご提案できるか。ゆくゆくは、バーチャルでコーディネートを提案できるようなところまで実現できたら面白いとも考えています。

自分たちの手で「世界標準」となるサービスを生み出していく

インタビューに答える宇美 紘太郎さん

パナソニックのランドリー・クリーナー事業独自の強みについて教えてください。

まずは「パナソニックである」こと自体が何よりの強みと考えます。パナソニックは創業以来、長年にわたり洗濯機・掃除機を含めた家電をお客様に提供し続けてきた歴史があります。その歴史が、製品や事業に対する大きな信頼につながっていると感じます。

また、パナソニックでは家電をはじめ多種多様な製品を開発していますので、他の製品で得られた技術や知見を、洗濯機・掃除機の開発に生かしていけるのも強みでしょう。例えば洗濯機に搭載されている「ナノイー」は、他の事業部で開発された技術です。

加えて、社内のみならず、社外の企業ともコラボレーションしやすい環境も特徴です。最近では洗濯機に「タオル専用」コースを搭載したのですが、これはタオルの名産地である今治のタオルメーカーからアドバイスをいただきながら開発した機能。こうした幅広いプロフェッショナルと組んで開発が行えるのも、パナソニックが培ってきた信頼があってこそだと思います。

今このタイミングで、パナソニックのランドリー・クリーナー事業部に参画するメリットはどんなところにあると考えますか。

パナソニックは今、全社的に大きな変革を進めており、ランドリー・クリーナー事業部も変革の真っただ中にあります。洗濯機についても、ハードウエアの商品でありながらソフトの重要性が高まり、ハードからサービスへとお客様への価値提供のあり方が変わってきています。

そんななか、もし私たちが突き抜けたサービスを生み出せたら、それは日本、ひいては「世界の洗濯機の標準」になる可能性があります。これほど大きな可能性を秘めた仕事はなかなかないだけにやりがいも大きく、エンジニアとして圧倒的な成長につながるはずです。

どのような方に応募してほしいとお考えでしょうか。

当社は今、大きな変革期にあるだけに、「新しいことにどんどんチャレンジしていきたい」という意欲を持った方を求めています。「洗濯機・乾燥機」や「家電」という枠内で物事を考えるのではなく、より大きなシステム・サービスをトータルで考え、挑んでいける方であればすぐに活躍できるでしょう。

技術的にも自分の領域に閉じこもらないことが大事です。例えば、「回路なら回路のことだけをやる」というのではなく、「機構もこうしたほうがいいのではないか」と周辺の領域にも積極的に関心を持って技術の幅を広げていける方に、ぜひ仲間になっていただきたいです。

また、ランドリー・クリーナー事業部には「思いが強い人」が多く集まっています。というのも、洗濯機の開発にはソフト・回路・機構・デザインなどさまざまな人が関わり、横連携が不可欠です。時には意見が食い違うこともありますが、そうした状況でも「こういうものを作りたい」という思いを強く持ち、どうしたらそれを実現できるかを常に前向きに考えて、周りを巻き込みながらプロジェクトを前進させていける方にいらしてほしいです。

繰り返しになりますが、私たちは洗濯機において「世界標準となるシステム・サービスを生み出す」ことを常に意識して仕事をしています。そうした思いに共感してくださる方は、ぜひ話だけでも聞きに応募していただけたらうれしいです。

扇風機から洗濯機の領域へ。「より大きな市場でビジネスがしたい」と転身

  • 中込 光輝

    パナソニック株式会社

    中込 光輝さんのプロフィール画像

中込さんは2018年にパナソニックに転職し、現在はランドリー・クリーナー事業部でドラム式洗濯機の商品企画を担当していらっしゃいます。まずは前職でどんなお仕事をしていたか教えてください。

前職は生活関連商品のメーカーで、主に扇風機の商品企画を担当していました。前職はベンチャー的な開発をする会社で、商品企画担当者が一つの商品について企画から開発、原価管理、知財管理、営業支援、販促、広告、広報まで一貫して担当するのが当たり前でした。また、自社工場を持っていないため、デザインや製造などさまざまな業務を外注しており、私の仕事も9割が社外の人とのやりとりでしたね。

結果として、約6年間で300品番以上の扇風機を企画・開発し、グッドデザイン賞をはじめ、雑誌などの賞も複数受賞するなど、多くの実績をあげることができました。

もともと自分で考えて新しいことに次々と挑戦するのが好きなので、仕事はとても楽しかったですね。また、幅広い業務を一気通貫で担当し多くの経験・ノウハウを積めたことや、自分で決断を下しながらスピード感を持って商品の企画・開発を行えたことは、現在の仕事にも生きています。

インタビューに答える中込 光輝さん

順風満帆だったなか、なぜ転職を考え、パナソニックに入社を決めたのでしょうか。

扇風機は市場規模が小さいニッチな商品だったこともあり、経験を積むうちに、「もっと大きな市場でビジネスをやりたい」という思いが強くなっていきました。その点、洗濯機は一家に1台は必ずある商品で、扇風機に比べて市場規模は格段に大きい。しかもパナソニックの洗濯機は常に最先端の機能をいち早く搭載していて、新しいことに挑戦するならここしかないと考えました。

また、私の好きなアフリカのことわざに、「早く行きたければ一人で進め。遠くへ行きたければみんなで進め」というものがあります。前職では商品の企画から開発、販促まで、一人だったからこそスピーディーに行えていましたが、一方で一人ができることの限界も感じていました。次にチャレンジするなら、自社工場や技術力を持つ会社で、思いを同じくする社内の仲間と「チーム」で仕事をしたい。そう考え、パナソニックを選びました。

実際に入社してみて、パナソニックに対するイメージは変わりましたか。

入社前は、新しいことにどんどん挑戦しているメーカーなので、強気でグイグイくるような血気盛んな人が多い会社だと想像していたんです。ところが入ってみると、想像以上に面倒見のいいメンバーに囲まれて驚きました。入社直後はわからないことが多く戸惑うこともあったのですが、困っているとこちらから聞く前に手を差し伸べてくれるなど、積極的にサポートしてくれたため、早くなじめました。

また、何か問題が起こったときも、チームのメンバーが一丸となって「どうしたら解決できるか」を考えていく姿勢が根付いており、チームで働く面白さを実感しています。

IoTで自分が携わった開発の「答え合わせ」ができる

話す中込 光輝さん

洗濯機事業では現在どんなことに注力しているのでしょうか。

やはりIoTやソフトウエアにより力を入れる方針になっていますね。それに伴い、私が担当している商品企画の仕事のやり方も変わってきています。これまで新機能を開発する際には、お客様にアンケートを行ってどんな機能を使っているか聞いたり、グループインタビューを行ってユーザーが実際に洗濯する様子を観察したりしていました。それが、IoTでつながることで、実際にお客様がどのように洗濯機を使っているか、生のデータを取れるようになりました。

これによって、自分が企画・開発した機能が、お客様に本当に使われているか、データから読み取れるようになったのです。自分たちが企画・開発したことでどのような結果が出ているか「答え合わせ」ができ、それを次の商品の開発に生かせる。そうした意味で、IoTはユーザーにメリットを提供できるだけでなく、開発側にとっても大きなメリットがあると感じています。品質部門においてもIoTによって、どのような環境でどういった使い方をすると不具合が出やすいか、データで把握できます。今やIoTデータの分析は全部門で不可欠のものとなっています。

実際、プロジェクトはどのように進めていくのでしょうか。

洗濯機の開発にはハードウエア設計、ソフトウエア設計、デザイン、品質など幅広い技術が必要で、各分野の担当者がチームを組んで打ち合わせを重ね、実際にものを作って評価しながら開発を進めていきます。

ハードウエアの場合、試作品を作るにしても、図面を引き、一部は外注することもあり、数カ月たってようやく形ができます。これに対し、ソフトウエアやアプリケーションは打ち合わせをしているその場でプロトタイプを作ることができ、メンバー間で意見を出しながら変更を加えていくというスタイルで開発を進められます。ハードとソフトでスピード感は全く違いますね。

洗濯機は毎年秋にモデルチェンジが行われます。先日私たちがリリースしたドラム式洗濯機の最新機種は8年ぶりのフルモデルチェンジ。ハードからソフトまで全て一から作りました。通常は、ハードは投資が大きいので毎年完全に変えることはなく、ソフトを変えていくことが多いです。

こうしたフルモデルチェンジの場合、まずは「どんな洗濯機にするか」というコンセプトを決め、それから、そのためにどんな機能を入れるか考えていきます。こうした構想の段階からだと、今回の新製品では開発に4年かかっていますね。もちろんその間に、毎年さまざまな機種で新しい機能が追加され、技術は蓄積されています。

生活に欠かせないものだからこそ、やりがいや手応えもひとしお

中込さんが仕事を通じて感じるやりがいや手応えについて教えてください。

洗濯機は一家に一台は必ずあるもので、万が一壊れると本当に困ってしまう重要な製品です。それだけに開発側の責任も大きく、同時に大きなやりがいになっています。

また、「より多くのお客様の生活を豊かにすることに貢献したい」「自分の影響度を大きくしたい」という思いで転職しましたが、その希望は十分かなえられていると感じています。例えば、自分たちが企画・開発した製品が友人宅で使われていたり、テレビやSNSなどで、著名人の自宅に置かれていたりするなど、当社の洗濯機が生活の一部となっている様子を実際に目にする機会も多く、モチベーションアップにつながっています。

どんな方に新たに参画してもらい、一緒に仕事をしたいですか。

やはり「新しいことに挑戦できる人」でしょうか。当社は、同じものを繰り返し作ったり、他社の後追いをしたりするのではなく、新しい機能やサービスを他社に先駆けて開発し、常に挑戦を続けています。そうしたチャレンジングな環境で働くことで、自分自身も大きく変わり、成長し続けられるはずです。

商品企画の立場からしても、「こういう機能を盛り込んだらどうか」といった提案を積極的にしてくれる方や、一緒になってそれらを実現する突破口を考えられるエンジニアの方々と仕事がしたいですね。

また、入社してみて改めて感じますが、パナソニックには自分が開発しているものに対して「強い思い」を持つ、志の高い人がとても多いです。私自身もそうありたいと思いますし、今後加わる方もそういった熱意のある方だとうれしいです。

仕事場に立つ宇美 紘太郎さんと中込 光輝さん

出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック株式会社」(2021年12月9日公開)より転載
https://www.bizreach.jp/job-feed/public-advertising/k9nb2pp/

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*記事の内容は取材当時(2021年10月)のものです。

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