パナソニックの#はたらくってなんだろう デザインの力で、未来のくらしとサービスを描く

テーブルに並ぶ中田さんと齋藤さん

家電などのプロダクトデザインにとどまらない「未来起点のデザイン」を軸に、人々のあるべきくらしを描き続けているパナソニック株式会社。2023年4月には、同社のデザイン本部が再編成され、その傘下に「トランスフォーメーションデザインセンター」という新組織が誕生しました。パナソニックが考える「デザイン」のあり方や最先端のプロジェクト事例、同社でデザイナーとしてキャリアを築く醍醐味などについて、2名のメンバーにお話を伺いました。

2023年06月

    • Facebook
    • X
    • LinkedIn

プロフィール

  • 齋藤 直輝

    パナソニック株式会社 デザイン本部 トランスフォーメーションデザインセンター

    齋藤 直輝さんのプロフィール画像
  • 中田 裕士

    パナソニック株式会社 デザイン本部 FUTURE LIFE FACTORY

    中田 裕士さんのプロフィール画像

目次

  1. パナソニック全社を横断し、「広義のデザイン」を手がけていく新組織が誕生
  2. 幅広い事業領域をかけ合わせた「新しい空間づくり」を志し、転職を決意
  3. 「デザイン」のあり方を本気で変える企業姿勢が、転職の決め手に

パナソニック全社を横断し、「広義のデザイン」を手がけていく新組織が誕生

笑顔の齋藤さんと中田さん

はじめに、パナソニックにおいてデザイン本部は、どんな使命を担っているのでしょうか。

中田さんのプロフィール画像
中田

デザイン本部は、特定の商品やカテゴリにとらわれずに未来のくらしの姿を描き出していく、いうなればデザインのR&Dを担う組織だと考えています。

私たちはデザインという言葉を、商品の色や形をつくる狭義の意味ではなく、体験の創造や課題解決の部分まで含んだ広義の意味で捉えています。パナソニックが大切にする「人々のくらし」を、将来のあるべき姿からイメージし、現在の各事業へと落とし込んでいく。そんな「未来起点」の考え方によって、さまざまなプロジェクトを動かしています。

組織図的な観点でいえば、パナソニックグループ全体に複数存在するデザイン部門を、横ぐしを通してまとめる役割を持った部門でもあります。具体的な製品のデザインに携わるのではなく、全社横断的な視点で物事を考え、提案していきます。

お二人から見て、パナソニックにおいて「デザイン」はどのような役割を果たしていると思いますか。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

パナソニックのデザイン部門出身の臼井が2021年に執行役員に就任してから、社内でデザインの果たす役割が大きくなったように感じています。デザインを一つの「資源」とみなし、経営のなかで生かしていく機会が増えました。

われわれデザイナーは現状を読み解きつつ、未来から逆算して何かを生み出すのが本分です。こうしたデザイナーとしてのミッションを念頭に置きながら、「事業の現在地」と「実現したい未来」のギャップを具体的に埋めるべく経営と向き合っているのが、現在のパナソニックにおけるデザイン組織のあり方だと思います。

そのため、具体的な業務領域は多岐にわたり、リサーチ&インサイト、ビジョン・戦略策定などのビジネスデザインから、BtoB新規事業やまちづくり・空間構築などの新領域デザイン、サービスUX(ユーザーエクスペリエンス)/DX(デジタルトランスフォーメーション)デザインまで幅広く、デザインを起点にテクノロジーとビジネスをつなぐような活動を行っています。

中田さんのプロフィール画像
中田

デザイナーの持つ「混とんとした状態のなかから何かを見つけ出すスキル」を、より経営に近いところで発揮してほしいと、経営戦略を描く場面などでデザイナーがファシリテーションを担うことも増えました。ここ数年で社内のデザイナーのスキルに対する認識も大きく変わったように思います。

仮説の構築と調査、検証を重ね、人々や社会、地球に対してパナソニックが今後届けるべき価値と未来図を描き出すことに貢献する。そういったことも重要な役割になってきますね。

幅広い事業領域をかけ合わせた「新しい空間づくり」を志し、転職を決意

笑顔で話す齋藤さん

齋藤さんは2017年11月にパナソニックに入社されたそうですね。数ある企業のなかで、パナソニックへの入社を決めた理由について教えてください。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

私はもともと、前職で空間設計や空間ブランディングに携わっていました。当時は受託案件に対して1点ものの空間をつくっていたのですが、次第にもう少し社会を豊かにし、世の中に広く価値を提供できるような空間づくりを手がけたいと思うようになりました。

パナソニックへの入社を決めたのは、空間づくりの可能性を探究するのに最適な環境だと感じたからです。パナソニックは本当に幅広い事業領域を持ち、照明や音響、映像装置など空間を構成する製品や技術を多数持っています。それらをかけ合わせることで、新たな空間価値や体験価値を生み出せるのではないかと思ったことが、入社の決め手となりました。

齋藤さんの担当業務や、これまで手がけたプロジェクトについて教えてください。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

私は社内のさまざまな製品や技術を用いながら、新しい空間の創出を行っています。最近手がけた代表的なプロジェクトとしては、ホテルやオフィス向けに瞑想体験を空間パッケージとして提供する「(MU)ROOM(ムルーム)」があります。

ホテル向けの新たなソリューションをつくりたいという社内の声から、2019年に始まったこのプロジェクトは、当時はまだ珍しかった「心の健康」に焦点を当ててサービスの企画を行いました。

ミストや光、音、香りなどさまざまな仕掛けを組み込みながら、自然な形で瞑想に集中できる空間にこだわったことで、初心者でも瞑想を気軽に体験でき、センシングによる瞑想スコアのフィードバックにより、たしかな効果を実感できるものがつくれたと自負しています。

「(MU)ROOM」のパッケージは、京都市内のホテルでの11カ月におよぶ効果検証においても、9割以上のお客様にご満足いただける結果となり、これから本格的に販売がスタートします。今後、どのような反響があるのか楽しみです。

入社後、デザイナーとしてのキャリアは広がったと思いますか。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

そうですね。携わる領域が幅広いため、デザイナーの枠を超えて自分自身のキャリアが広がっていると感じています。

例えば、現在は微生物を活用した屋外空間づくりや観光DXに関連するまちづくりソリューションの提案など、分野を越境した空間づくりに挑戦しています。このような仕事は、いろいろなことをやってみたいという私の性分にも合っており、日々本当に楽しいです。

知見のない分野があれば、社内のプロフェッショナルを頼ることもできます。彼らに声をかけると、興味を持って相談に乗ってくれることが多く、プロジェクトを通じて新しい知識を得られるのもパナソニックならではの良さだと思います。

デザインの可能性を広げられる職場で、新たなキャリアに挑戦していく

ソファに座って話す齋藤さん、中田さん、インタビュワーの女性

デザイナーとしての働く環境や組織風土の魅力について教えてください。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

コミュニケーションが活発で自由度が高く、多様な人材が活躍できる環境だと思います。私のような空間設計が得意なメンバーもいれば、リサーチが専門のメンバー、UI(ユーザーインターフェース)/UXデザインに長けたメンバーなど、メンバーのバックグラウンドもさまざまです。男女比率はおよそ半々で、女性管理職として活躍している人もいます。

また、個人の興味の追究を後押ししてくれる制度もあるので、興味関心を突き詰めたい方にとってはうれしい環境といえます。受託案件とは別に未来提案力の強化に向けた自主研究という枠があり、業務に直結していなくとも、おのおの関心のあるテーマで研究をしていいことになっているのです。私はバーチャル空間や日本の美意識というテーマで研究中です。

齋藤さんの今後の目標やチャレンジしていきたいことを教えてください。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

今後も「空間」を軸としながら日々の仕事と向き合い、新たな可能性を追求していきたいと考えています。

特にコロナ禍でオンラインコミュニケーションを行う機会が増えたことによって、リアルな場の価値が改めて見直されています。そのような社会の空気のなかで、「コミュニケーションの創出」をキーワードに、空間のあり方を捉え直す必要があると考えています。

「空間」は、すべての事業に関わるものです。究極をいえば、製品の周りに醸し出される雰囲気もその一つといえます。空間を広義に捉え、新しい取り組みを模索しつつ、社会にインパクトを与えるデザインを今後も行っていきたいです。

この記事を読んでいる方に向けて、メッセージをお願いします。

齋藤さんのプロフィール画像
齋藤

パナソニックでは、「広義のデザイン」をベースとしたソリューションの重要性が日に日に増しています。これからは自分の得意領域を軸としながら、新しい活動を広げていくことが大切になるでしょう。

また、昨今は先を読むことが本当に難しい時代でもあります。そのような時代だからこそ、未来構想や事業成長、競争力の向上などさまざまな部分でデザイナーのスキルが重宝されています。デザイナーとしての可能性を広げられる職場なので、自分のキャリアを広げたいと考えている方は、ぜひ幅広い事業領域を持つパナソニックで一緒に挑戦をしていきましょう。

「デザイン」のあり方を本気で変える企業姿勢が、転職の決め手に

笑って話す中田さん

中田さんは大手電機メーカー2社をへて、2018年10月にパナソニックへ入社されたそうですね。入社の決め手は何だったのでしょうか。

中田さんのプロフィール画像
中田

パナソニックに興味を持った最初のきっかけは、2018年にパナソニックの京都拠点「Panasonic Design Kyoto」ができた頃にさかのぼります。パナソニックのモノづくりに対する哲学を受け継ぎながら、デザイナーが自らのクリエイティブを存分に発揮できる場所、というところに強く興味をひかれました。

そこからさまざまな情報を得るなかで、当時のデザインセンター所長に就任したばかりだった臼井のインタビュー記事を目にする機会が何度もありました。記事では、当時は珍しかった「広義のデザイン」や「デザイン経営」にも触れられており、パナソニックの「新しいデザインのあり方を模索していこうとする姿勢」に共感を覚えたのも決め手になりましたね。

カジュアルな面談で訪れたパナソニックの京都拠点で話を聞いてみると、パナソニックではデザイナーの存在感が大きく魅力的な環境であることを知り、「この会社なら新しい挑戦ができる」と思えたことも大きかったです。

実際に入社されて、パナソニックの環境はいかがでしたか。

中田さんのプロフィール画像
中田

思っていた通りの環境で、入社前に受けていた印象と大きなギャップはありません。齋藤も申し上げたように、会社のなかでのデザインのあり方が年々変化しています。予想していた以上に大きな変化を遂げており、その変化に合わせて、デザイナーが業務において担当する領域も広がりを見せていますね。

私はこれまで、長くUIやUXのデザインに携わってきたのですが、現在はそれだけでなく、ビジネスデザインやサービス設計、社会像の構想などを含めた課題とも向き合っています。もちろん、自分の持つ知識や経験だけでは対応できないことも多々あるため、その場合は各分野に詳しいメンバーに話を聞くなどして、新しい知識を得るようにしています。

中田さんの担当業務や手がけたプロジェクトについて教えてください。

中田さんのプロフィール画像
中田

今はまさに会社の未来構想を手がけており、パナソニックの現在の事業領域ではカバーしきれていない部分を、今後事業として具現化するための提案をつくっているところです。具体的には「人と社会のつながりの希薄化」という問題に着目し、事業活動としてどう解決できるかを日々考えています。

私たちは誰でも、ライフステージの変化によって社会とのつながりが薄れてしまうリスクを抱えています。これを企業として解決に導くためには、既存事業のやり方にとらわれずに、これまでと異なる考え方で取り組まなければなりません。

そこで、「便利すぎる」家電のあり方を見直したり、お客様とともにつくり上げる余白のある製品・サービスのあり方を検討したり、既にあるものを生かすくらし方を考えたりと、社会とのつながりが自然と生まれるような「くらしとサービスのあり方」について仮説の精度をブラッシュアップしています。

机上で議論するだけでなく、実証実験も行っていて、現在はある商店街で当社製のホームベーカリーを置いたパン屋をつくろうとしています。お店の中にはカフェスペースもあるため、パンの焼き上がりを待つ時間や店内での飲食時に、お客様同士でコミュニケーションが生まれるような効果を期待したいところです。

多様な人材と事業領域で、新たな気づきを得られる環境

テーブルに並ぶ中田さんと齋藤さん

デザイナーとしての働く環境や組織風土の魅力について教えてください。

中田さんのプロフィール画像
中田

当本部は多様な人材が活躍できる組織だと思います。京都以外にもロンドン、ニューヨークと、グローバルに拠点を構えており、メンバーの国籍もさまざまです。日本で働く海外メンバーもいれば、ロンドンやニューヨーク拠点で働く日本人メンバーもいます。

また、デザインストラテジーやUI/UX、インサイトリサーチなど、おのおのの得意分野も異なっており、多様なスキルや価値観のなかで新しい気づきが得られる環境だと思います。

そのような組織風土を踏まえると、どのような方がパナソニックのデザイン本部にフィットするでしょうか。

中田さんのプロフィール画像
中田

前例がなく誰もやり方の知らない課題に対して、ポジティブにアイデアを出して取り組める方がマッチすると思います。自分の専門領域を持ちながらも、それに固執することなく、専門外の領域にも楽しんで入っていけるようなマインドセットのある方もご活躍いただけるでしょう。

また、昨今はソフトウエアなどの「実体のないもの」が注目を集める傾向にありますが、パナソニックの手がける家電のようなハードウエアも、工夫しだいでさらにおもしろくできると感じています。

どれだけデジタルが発展しても、人間の体がある以上は、フィジカルな領域もなくならないはずです。パナソニックでは、デジタルとフィジカルの両方を行き来しながら、未来のくらしの可能性を考えることができます。この環境におもしろさを見いだしてくださった方と、ぜひ一緒に働きたいですね。

中田さんの今後の目標やチャレンジしたいことについて教えてください。

中田さんのプロフィール画像
中田

今後は現在の仕事も続けながら、社外とつながって新たな挑戦ができたらと考えています。会社の未来図を描く仕事は、非常にダイナミックでおもしろいものです。しかし、それだけではなく、未来の社会のあるべき姿や可能性を細かく実験して検証していく作業も必要だと考えています。

ダイナミックな仕事と、細かな部分を着実に積み上げていく仕事、両方を扱える人材としてさらなるチャレンジを続けていきたいですね。

出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック株式会社」(2023年4月25日公開)より転載

キャリア採用にご興味ある方はこちら

*所属・内容等は取材当時のものです。

パナソニックの#はたらくってなんだろう 一覧へ