プロフィール
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油田 さなえ
パナソニック コネクト株式会社 人事総務本部 DEI推進室 シニアマネージャー
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藤田 望
パナソニック コネクト株式会社 技術研究開発本部 ソリューション開発研究所 ソリューション開発部 2課 マネージャー
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目次
パナソニック コネクトならではの考え方が反映された「DEI推進」の取り組み
貴社は前身のパナソニック株式会社 コネクティッドソリューションズ社の頃から、事業戦略の柱の一つとしてDEIに注力されています。その背景について教えてください。
DEIを推進するうえで、貴社がとくに大切にしていることを教えてください。
大きく3つあります。1つ目が、DEI推進で要としている考え方についてです。DEIに取り組む際、「企業価値の向上」を目指して、多様な人材の活躍やイノベーション創出などに向き合うことが一般的です。もちろんその目的もありますが、当社では、心理的安全性の保たれた差別のない職場やフェアな労働環境を目指す「人権の尊重」という観点も重要な軸に据えています。
2つ目は、推進組織の人員構成です。当社では、DEI担当役員は人事が本務ではない役員2名が務めています。また、現在、DEI推進室の約半数は社内公募で手を挙げて参画したメンバーであり、人事だけにとどまらない、多角的な視点を取り入れながらDEIを推進しています。
3つ目は、「現場の声」に耳を傾けることです。さまざまな施策の大もとには、私たちが社内のメンバーからさまざまな場面で聞いた「現場の声」があります。DEIを全社的に推進するため、各事業場に「Champ(チャンプ)」と呼ばれるDEI推進リーダーを設置し、心理的安全性の勉強会、マネージャーリレーメッセージ、ファミリーデーの開催などそれぞれの事業場の課題に即した取り組みを進めています
DEIの浸透を通じて、どのような組織を目指しているのでしょうか。
多様な人材がお互いをリスペクトし合い、働きがいを持って業務に取り組めるカルチャーを起点に、組織の能力や戦略を最大限生かせる企業へと変化していきたいと考えています。
そのゴールに対して、現在の当社はまだまだ道半ばです。例えば、一つの指標として女性管理職の比率を2035年までに30%にするという目標を掲げていますが、現時点では6.9%にとどまっており、クリアすべき課題はたくさんあります。
また、DEI推進に向けてまだ着手できていないタスクも多いですし、DEIへの意識の浸透もまだまだ足りていないと感じています。こうした課題を一つ一つ解決していきながら、理想とする組織像に近づいていけたらと考えています。
大きな変化を遂げる今、会社の未来創造を担うメンバーとなる
具体的には、どのような取り組みを行っているのですか。
マネージャー以上を対象とした「DEI研修」を実施しました。ワークショップやディスカッション形式で、出産、育児、介護、LGBTQ+、障がいのある方への配慮、生理も含む健康についてなど、9つのテーマに関する講座を全13回の日程で実施し、学んだ知識を現場ですぐに生かせる研修として、好評を得ることができました。
そのほかにも、男性の育休取得の推進にも尽力しています。社長からのメッセージも含め、全社的に男性向けに育休取得を推奨したほか、男性向けの育休ガイドブック作成や男性育休取得者の座談会などを実施した結果、2022年度の男性の育休取得率は89.6%となり、平均取得日数も26.2日となりました。
さらには出産を控えている女性向けに「産休・育休面談」も実施。産休前、復職前後で、職場の上司とDEI推進室で産休・育休取得経験メンバーが同席する面談を行います。復職するメンバーの意思を大切にし、各個人が思い描くキャリアを諦めないで済むような体制をつくることができています。
そうした取り組みを経て、社内の変化をどのように感じていらっしゃいますか。
社内の雰囲気やカルチャーには、大きな変化が見られています。例えば、男性社員がパートナーの妊娠を上司に報告した際、現在は「おめでとう」という言葉とともに「育休はいつから取る?」という話題が自然と出るようになりました。
また、私の所属するDEI推進室をはじめ、社内にはこれまで以上にさまざまな意見を言いやすい雰囲気ができ、会社の変化に期待を寄せている社員も増えたように感じています。私たちとしてもその期待に応えられるよう、必要な物事に一つ一つ向き合い、DEIへの取り組みを前に進めていけたらと思っています。
貴社で働く魅力を教えてください。
当社は今、変革の途中にあります。この数年でキャリア入社者も増え、多様なバックグラウンドを持つメンバーがお互いを尊重し、各自のスキルや長所を生かしながら仕事をするカルチャーが醸成されてきています。
また、社内制度も時代に合ったものへと次々と変化している状況です。今当社に参画することで、会社の新たなフェーズをつくり上げる経験も積んでいただけると思います。変化を楽しみながら、会社の未来を一緒につくっていきたいと感じる方にはぜひ、当社へのご応募をご検討いただけましたら幸いです。
時代とともに変化を遂げる組織だからこそ、新たな挑戦ができる
まず、藤田さんのこれまでのご経歴を教えてください。
2003年に新卒でパナソニックに入社して以来、およそ20年間、当社でキャリアを重ねてきました。1年目から約10年間は、官公庁向けのシステムソリューションを担当。この間に、二度出産を経験しています。仕事と育児をなんとか両立する日々のなかで、プロモーション部門に異動し、エンジニアとは性質の大きく異なる仕事にも3年ほど携わりました。
プロモーション部門での仕事も充実していたものの、やはり私はシステム開発の仕事が何よりも好きだと気づき、社内公募制度を利用して当時の研究開発部門であったイノベーションセンターの人材募集に応募しました。その希望がかない、それ以降はシステム開発に従事し、現在はマネージャーとして6人のチームを率いて仕事をしています。
現在はマネージャーとしてシステムソリューションのお仕事に従事されているとのことですが、どのような業務なのか教えていただけますか。
現在は、システム開発のアーキテクト兼マネージャーとして、米国のソフトウエア会社・Blue Yonderとともに、海外のお客様に向けたソリューション提供を行っています。Blue Yonderは2021年に当社にグループ入りした大手ソフトウエア会社で、主にサプライチェーン・マネジメント領域におけるソフトウエア開発を得意としている企業です。
同社とともに、アメリカやカナダなどグローバルのお客様に対してソリューションを提供すると同時に、Blue Yonderのソフトウエア技術と当社の強みであるIoTやエッジデバイスの技術をかけ合わせた新しいソリューションの開発にも挑戦しているところです。
アメリカやカナダの顧客と取引がある場合、会議時間などが深夜や早朝になることもあるのでしょうか。
北米地域のお客様とコミュニケーションをとる際、フロントでお客様と向き合っているメンバーの会議時間はどうしても深夜や早朝になってしまいます。
その場合、日中の勤務を一時中抜けし、休憩を取ってから深夜の会議に出席して勤務を終了するなど、働き方の工夫をしています。とはいえ深夜や早朝の稼働はやはり負荷がかかりますから、複数のメンバーで対応を分担できるよう工夫しています。
仕事のやりがいや醍醐味は、どのようなところに感じますか。
大きく2つあり、1つ目が開発手法の変化に対応するために、チーム全体で学び合い、高め合いながら、より良いシステムソリューションの開発を追求できることです。Blue Yonderとともに仕事をするようになってから、当社の開発体制もアジャイル開発へと大きく舵を切りました。
アジャイル開発を取り入れるためには、チーム全員でそれまでの価値観を捨て、新しいやり方を身に付けていかなければなりません。とても大変ではあったのですが、OJTで各メンバーにフィードバックなどを行いながら、マネージャーとしてチームの士気を高められるよう意識したことで、良い形で新たな開発体制に移行させることができたように思います。
2つ目が、日々新たな挑戦ができることです。現在の当社には、失敗を恐れずトライすることを推奨する環境があります。私としてもグローバルのお客様と向き合うために、それまで不得手だった英語でのコミュニケーションに積極的にチャレンジしています。どのような年次の人も挑戦の機会が得られ、そのなかで新しい自分を発見できることは、当社で仕事をする醍醐味といえると思います。
多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる環境
そうした仕事のやりがいが、これまで約20年にわたって貴社で働き続けてこられた理由なのでしょうか。
そうですね。やりがいの話ともつながるのですが、当社はこれまでの歴史のなかで積み上げてきた良い部分を受け継ぎながらも、時代の流れに沿った変革を試みています。
例えば、私が現在所属する技術研究開発本部では、スローガンとして「Think Big(大胆に発想しよう),Act First(とにかく手を動かそう) and Fail Fast(早く失敗しよう),」を掲げるようになりました。
このポリシーがCTOから発信されたことで、現場のメンバーとしてはこれまで以上にさまざまなことに挑戦しやすくなったと感じます。時代の変化を敏感に察知して変わり続けようとする会社だからこそ、長く勤めることができたのだと感じています。
DEIの取り組みが進むなか、働き方やカルチャー面での変化はいかがですか。
DEI推進室が社員のさまざまな声を拾い上げることで、働き方やカルチャーもこの数年で大きな変化があったように思います。
例えば、リモートワークが浸透したことで、子育て中の人などさまざまなメンバーがより生産性高く働けるようになりました。また、私のような女性管理職もかなり増えている印象があります。マネージャー以上を対象とした「DEI研修」では、私たちが無意識のうちに持っている認識の偏りなどに気づけ、メンバーとのかかわり方を改めて見つめ直すことができました。
2023年から当社で導入されたジョブ型雇用とも相まって、多様な人材がお互いを認め合いながら、自分自身のミッションと向き合い、自立的なキャリア形成を行えているように思います。
最後に、読者の皆様へメッセージをお願いいたします。
当社は、過去から積み上げてきた実績と技術、新しい考え方、多様な人材が化学変化を起こし、歴史あるしっかりした基盤の上にベンチャー気質もかけ合わさった、より魅力的な組織へと変化していると感じています。
私自身、かつては想像もしていなかったマネージャー職に就き、やりたい仕事に挑戦しているように、当社にはどんな方も自分の可能性を広げられる環境があります。このようなフィールドで、新しい物事に挑戦しながら社会に影響力のある仕事を手がけていきたい、そう考える方はぜひ、当社にご応募いただけたらうれしいです。
出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック コネクト株式会社」(2023年9月21日公開)より転載
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*所属・内容等は取材当時(2023年9月)のものです。
パナソニック コネクトは、「現場から社会を動かし未来へつなぐ」というパーパスを掲げ、パナソニックグループにおけるBtoBソリューション事業成長の中核を担い、顧客起点でお客様の「現場」に貢献する新しいソリューションを提供しています。
DEIの推進は、当社がまだ前身の組織(パナソニック コネクティッドソリューションズ社)だった2017年からスタートしました。その背景にあったのは、当時のパナソニックの縦割り構造で重たいカルチャーが企業競争力をそいでしまうことへの危機感です。
別の部署に所属していた私から見ても、当時のパナソニックは「昔ながらの日本企業そのもの」という印象が強く、責任者会議一つとっても、出席しているのは黒いスーツを着た一定の年齢以上の男性ばかりという組織風土でした。
そんな風潮を「フラットで俊敏なカルチャー」へと変え、全員がワクワク感を持って仕事をし、事業も個人も成長できる会社を目指そうと、2017年より企業変革への取り組みを開始しました。コンプライアンスの強化や働き方改革とともに、組織の基盤となる「カルチャー&マインド改革」の一環として始まったのがDEIの推進なのです。