パナソニックの人 藤永 巌広

仕事場と藤永 巌広さん

人生を豊かにする業務革新を、
堅牢パソコンで提案したい。

営業・マーケティング 藤永 巌広

「来週、イギリスの工場に赴任します」。そう切り出した藤永巌広が所属するのは、グローバル営業部。堅牢パソコン「TOUGHBOOK」の製造拠点であるイギリス工場での駐在という希望が通り、事前研修を経て新たなフィールドへ出向くのだ。モノづくりというメーカーの原点から見直し、単品売りからソリューション提案へヨーロッパ市場を拡大する重要なテーマが課せられているが、藤永には別の思い入れもある。入社以来、一貫してデジカメ「LUMIX」の海外向け宣伝・販促や、ドイツでのマーケティング戦略、そして一眼ミラーレスの商品企画など、いわゆる製造業における「川中〜川下」のキャリアを積んできたが、いよいよ「川上」である工場でキャリア拡大にチャレンジしようとしているのだ。

パソコンの説明をする藤永 巌広さん

早くも2度目の海外駐在となるが、藤永には気負いはない。海外志向が強いというよりも、ボーダレスなのだ。3歳から5年間、父親の仕事の関係でアメリカのシカゴで過ごし、現地の学校に通った。帰国後も「言葉は財産」という母親の思いから、毎年夏休みにシカゴでホームステイしたり、ネイティブな家庭教師がついたり、常に英語や海外の文化に触れる環境にいた。大学時代もそうだ。カナダで半年間ビジネス英語学校に通いながら飲食店でバイトしたり、卒業論文の実地見聞にアジア6カ国を周遊したり、専攻していたトルコ語を活かして現地新聞の翻訳活動に参画したり...。そうした先々で実感したことがある。日本や日本人が、とても感謝されているのだ。先人たちの功績。あえて就職に日本メーカーを選んだ理由も、そこにある。今度は自らがさまざまな価値を提供して、グローバルな視点で社会貢献したいと思った。

数あるメーカーのなかでパナソニックに決めた理由は明快だ。就活生向けセミナーで、どの企業よりもグローバルで自由な社風が強く感じられた。何より、担当してもらったリクルーターが、それを体現していた。自分が思い描いていたロールモデルだったのだ。夢中で質問した。一つひとつ丁寧に答えてくれた。彼は入社して1年目でトレーニーとして海外駐在したという。そして社内留学制度を活かしてMBAを取得。社内公募制度(eチャレンジ)にも応募し、部署をいくつか転籍。現在は、若くしてイギリスの副社長に就いている。そう、藤永の赴任先である。「自由にキャリアを重ねた生き様は、ビジネスマンというより、1人の男として憧れです。いつか一緒に仕事ができたら...そのチャンスが、こんなに早く訪れたのです」。

立ち話をする藤永 巌広さん

理想的な仕事環境であるイギリスで、藤永は自らにミッションを課している。「TOUGHBOOK」を通し、欧州のお客さまの課題に寄り添って業務革新を推進することだ。たとえば、自動車の整備業務。「TOUGHBOOK」の赤外線サーモグラフィカメラを使えば熱を発した故障箇所が分解しなくても手に取るように分かり、修理にかかるムダな手間や時間が省ける。そこに生まれた時間を趣味や教養に活かしたり、家族との団欒に当てたりすれば、みんなの人生はもっと豊かになる。もちろん、データを蓄積してビッグデータとし、次期商品の開発につなげることも可能なはずだ。

笑顔の藤永 巌広さん

アイディアや夢をいっぱい抱えて藤永は今、期待の地へ出発しようとしている。準備は整った。「川上から川下までモノづくりのすべてを知り尽くすことによって、ビジネスマンとしての自分の価値を高めていきたい。ゆくゆくは経営企画へのキャリアチェンジも視野に入れています」。尊敬する先輩の背中を追いながらも、藤永はさらに先を見据えた野望をもっている。

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