パナソニックの#はたらくってなんだろう
パナソニックグループのサプライチェーンを支える「ロジスティクス」の仕事とは

パナソニックグループのSCM ※全般に広く関わる物流部門は、社会活動や経済活動を支える上で必要不可欠な機能です。今回は、国内物流・海外物流それぞれの分野でロジスティクス職として活躍する社員の対談を実施。ロジスティクスの仕事の役割や魅力について語っていただきました。
※サプライチェーンマネジメント(SCM):原材料の調達から最終目的地での製品の配送まで、製品やサービスに関連する商品、データ、財務の流れを管理すること
プロフィール
-
宮前 亮太
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
ギタークラフト科卒業
2023年キャリア入社。国内物流担当。
宅配業者のドライバー、責任者を経てパナソニックグループに入社。国内輸配送担当として、各拠点の輸配送サポートのほか、大規模な倉庫移転プロジェクトを推進している。 -
山下 雅之
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
インターナショナルビジネスマネジメント学科卒業
2022年キャリア入社。海外物流担当。
物流事業会社、メーカー物流の2社で通関業務や海外貿易に従事。パナソニックグループでは、資材・デバイス関係の海外貿易のほか、課全体のマネジメントも担当している。
目次
事業活動に欠かせない「物流」という仕事
ロジスティクスの仕事内容や役割について教えてください。

製品の在庫管理、発注処理、配送計画の立案、輸送手配。そこには、物流コストの削減に関する戦略的な取り組みも含まれます。製品の製造から出荷、最終的に顧客の手に渡るまでの全過程を管理し、サプライチェーン全体の効率性と信頼性を高めるとともに、再利用可能なパッケージの使用や環境に配慮した輸送方法の採用など、環境保護にも積極的に取り組んでいます。
メーカー物流と物流会社の違い
メーカーの物流部門と物流会社の違いについて教えてください。

大きな違いは、「物流戦略機能」を有するか否かです。モノづくりが主軸のメーカーにおいて、物流のコスト削減は経営への貢献となります。メーカー物流の場合、単なるコスト削減だけではなく、経営が抱えている課題に対して、物流の在り方やしくみを見直し、経営の効率化に繋げていくので、本当に会社や経営に寄り添った提案ができます。しかし、物流自体を事業の生業とする物流会社にとって、物流コスト削減は売上の減少に繋がります。そこがメーカー物流と物流会社の違いだと思います。

いわゆる宅配サービスを提供する物流会社は、全国規模の輸送ネットワークを持ち、路線便や宅配便や冷蔵便など、さまざまな配送オプションを提供して多くの顧客のニーズに対応しています。一方、メーカーの物流部門は、主に自社製品の輸送に焦点を当てています。製品の品質管理やブランドイメージにも直結するため、より一層高度な管理と精度が求められます。

我々メーカー物流は、自社の商材に特化した物流なので、かなり深いレベルまでの商品知識が必要になりますよね。

おっしゃる通りです。家電であれば家電のお客さま、電材であれば電材のお客さまにはどういった物流サービスが価値提供に繋がるのか。商品によって運び方もリードタイム※も違うので、担当する商品の知識習得は欠かせません。

私の場合、前々職の通関の仕事では衣類から木材までさまざまな商材を取り扱っていましたが、「その道のプロ」というよりも、「広く浅く」といった感じでした。専門性を磨くといった意味では、メーカー物流の仕事は非常に有効だと思います。
※リードタイム:商品の発注から納品されるまでの時間や日数のこと
ロジスティクスのやりがい、魅力とは
現在の具体的な仕事内容について教えてください。

私は国内物流担当として今年2月まで中部拠点に所属し、輸送計画の立案、配送ルートの最適化、運送業者との連携など輸配送管理業務を担当していました。現在は国内物流部門の輸配送担当として、サプライチェーン全体の効率性と信頼性を高めるため、最新の技術を活用した輸配送に関するデータ分析、効率向上のための改善策の提案、プロジェクトの推進などを行っています。

私は海外物流を担当しています。海外物流は、世界各地域に広がる多くのサプライヤー、工場、販売会社、顧客のすべてに対して安定的に商品を供給する、パナソニックグループのSCM基盤づくりに欠かせない業務です。国内外のチームメンバーやパートナーと連携し、グループの事業会社を横断しての物流効率化を実現する役割も担っています。
また私自身は、課のマネジメントのほか、貿易物流リーダーとして、事業貢献をすべくソリューション活動(物流企画)に従事しています。その中の1つとして、現在、事業会社ごとに異なる物流オペレーションの集約・合理化を目指す、組織をまたいだプロジェクトにも参画しています。
現在の仕事の魅力、やりがいについて教えてください。

自社製品の特性や市場の動向を考慮した専門的な物流戦略を立てるメーカー特有の物流プロセスを学べることや、物流の付加価値提供として量販店などのお客さまにきめ細かな配送を行い、感謝されること。また、デジタルツールを活用したデータ分析及び輸配送トラッキングを通じて、グループ全体の生産性向上に貢献できることに大きなやりがいを感じています。

パナソニックグループは事業規模が大きく、ダイナミックな仕事ができます。また、私の仕事は海外貿易がメインになるため、目標が達成できた時の満足感を国境・文化・人種を超えたメンバーと味わえるのも魅力の一つです。
ロジスティクスの仕事は本当に範囲が広く、多岐にわたるので、全てを網羅的に理解するには何十年とかかると思います。私は色々な知識を得たいタイプなので、この年齢になっても新たな知識・経験が得られることがやりがいになっています。
多様な経験を積みながら、専門性を磨ける成長環境
ロジスティクスとして成長を感じられたエピソード、成長環境について教えてください。

パナソニックグループではまだ2年ほどの社歴ではありますが、ある事業会社をリーダーとして担当させていただいたり、海外の物流拠点と連携、事業部の多くの方を巻き込みながら、プロジェクトを推進することができました。多くのトライ&エラーがありましたが、最終的にお客さまのご要望に応えられたことで、達成感や成長を感じました。

ロジスティクスのスキルを磨く成長環境が整っていますよね。私自身も、多数のパートナー会社や部門との多様なやり取りの中で、判断力や交渉力、コミュニケーション力が養われたと実感しています。
また、物流プロジェクトの推進や改善を行う中で、プロジェクトマネジメント能力も向上しました。特に、拠点統合や配送網構築のプロジェクトでは、新拠点と新配送網の安定立ち上げを目指す過程で多くの課題に直面しましたが、自身の成長に繋がる大きな経験となりました。
ロジスティクスを志望された理由、きっかけについて教えてください。

学生時代はバイヤーになることが夢で、貿易知識を身に付けたく「ロジスティクス」職種を選びました。海外から日本へ、日本から海外へどのようにしてモノが運ばれ、国と国を跨ぐ際にどのような手続きが必要なのかといった知識を得たかったからです。そこから、ロジスティクスの面白さに触れ、物流会社の立場では難しい、事業を横断しての物流効率化といった新しい経験を求めて、メーカー物流に転職しました。

私は、前職の宅配業の経験で得た、物流の基本的なスキルや知識、特に、効率的な配送ルートの設計や在庫管理、クライアントとのコミュニケーションの取り方といった経験を活かせると考え、「ロジスティクス」職種を志望しました。
お二人ともキャリア入社とのことですが、パナソニックグループを選んだ理由を教えてください。

輸出入・海外貿易がメインの物流事業会社、メーカー物流を経て、パナソニックグループが3社目となります。転職するにあたり、私がもっとも惹かれたのは、現在所属しているパナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社の「プロフェッショナル集団になる」というメッセージです。
グローバルで幅広い事業を展開しているパナソニックグループで、ロジスティクスのプロとして専門性を磨くことができること、大きなメーカーならではのダイナミックな規模で仕事ができることに魅力を感じました。

決まった仕組みの中で回し続ける宅急便ネットワークは異なり、パナソニックグループには、デジタルツールやシステムなど、新しいものをどんどん取り入れていく環境があります。これまで当たり前だったことを見直して変革を行い、SCMをきっちり回していく。物流の仕事を通じて、企業や社会全体に貢献したいと考えました。
「ロジスティクス」という仕事には、どんな人が向いていると思いますか?

ロジスティクスの業務は多岐にわたるので、全く知らない世界を勉強できる面白さがあります。同じ物流部門でも、国内物流と海外物流では、使用する用語や考え方、さらにオペレーションも違ってくるので、業務を通じて色々な知識を得たい方には向いていると思います。
また、万人に当てはまるとは言いがたいですが、どんな仕事をしていても、やっている仕事に興味を持つことが大事です。少しでもその仕事に興味がある=その仕事に向いていると言えるかと思います。

興味があったり、好きだったりすることは、「できない」ということよりもはるかに可能性がありますよね。
山下さんの話に少し加えるなら、ロジスティクスは、計画性と組織力が重要です。また、コミュニケーション能力や問題解決能力も求められる仕事です。新しい技術や方法を積極的に取り入れる姿勢も重要になるので、多様な経験を積んでスキルを磨き、社会に貢献したいと考える方に向いているかと思います。
突き詰めるほどに面白い、ロジスティクス
仕事を通じて、今後実現していきたい夢について教えてください。

これまでに培ったスキルと経験を活かし、より大規模で複雑なプロジェクトに挑戦したいと考えています。特に、新しい物流ネットワークの構築や、持続可能な物流ソリューションの開発に関わることで、広い視点での問題解決能力をさらに高め、人手不足の解消や労働環境の改善など、物流業界が抱えるさまざまな課題の解決に貢献したいと思っています。
また、若手の育成にも力を入れたいと考えています。自身の経験を共有し、次世代のリーダーを育成することで、組織全体の成長を促進していきたいです。

定年後は、パナソニックグループで培った物流のノウハウを活かし、中小企業を対象としたコンサルティング的な仕事を立ち上げたいと考えています。日本の95%以上が中小企業であり、その物流を革新することができれば、業界全体への貢献に繋がるからです。そのためにも、現役時代に専門性を磨き、力を付けたいと考えています。
また、現在はマネジメントの仕事も行っていますので、若い世代が働きやすい環境をつくり、若手のみなさんが「本当にこの会社入って良かったな」と思えるような機会をつくっていくことも最近の目標です。
ロジスティクスを志望、あるいは興味がある学生のみなさんにメッセージをお願いします。

私自身の経験になりますが、ロジスティクスの仕事は、やってみたら非常に面白くて、突き詰めていくことでさらに面白くなって、物流の基礎から管理、オペレーション、マネジメントまで、幅広い知識を身に付けながら今に至っています。本当に好きになったら、スルメのように噛めば噛むほどに味が出て、ずっと飽きずに噛み続けられるような仕事かなと思っています。

パナソニックグループには、社内で長年経験を積んできたベテラン社員もいれば、私たちのようなキャリア社員もいて、専門性の高い、さまざまな知見に触れることができます。また、若手であっても大きなプロジェクトに携わるチャンスもたくさんあります。

ロジスティクスは、社会インフラを支える上で欠かせない重要な仕事です。欧米では「CLO(チーフロジスティクスオフィサー)」と呼ばれる、経営の優秀な人物がロジスティクスに集まることが通例になっています。日本ではまだ「縁の下の力持ち」的なイメージが強いかもしれませんが、今後、ますますクローズアップされていく職種です。
また、海外拠点で実務を通じて物流が学べる「海外トレーニー制度」など、入社後のスキルアップを支援する制度や機会も豊富にあるので、興味のある方はぜひ挑戦してみていただきたいなと思います!
*所属・内容等は取材当時(2024年10月)のものです。
ロジスティクスは「依頼された商品を、適正な納期・品質・価格で、適切な場所に届けること」であり、事業活動になくてはならない重要な仕事です。
パナソニックグループがグローバル展開しているサプライヤー、工場、販売会社、顧客の国々のSCMの組み合わせは約3億通りにも上ります。その中で、事業会社それぞれの事業戦略に寄り添った物流戦略を立案し、最適な物流ネットワークを事業に提供する「物流企画」、パナソニックブランドの維持・向上のために品質・水準を管理する「物流管理」、さらに、実際に現場で輸配送を行う「物流機能」。これらすべてのシステムを最適化することで、事業成長に貢献しています。