パナソニックの#はたらくってなんだろう

世界トップレベルの設備開発でパナソニックの競争力を高める「生産技術」の仕事とは

笑顔の塩塚さんと竹下さん

高品質・高性能な製品を市場に安定供給するための量産設備を開発する「生産技術」は、パナソニックグループの安心・安全なモノづくりを根底から支える重要な役割を担っています。今回は、パナソニックグループの生産技術職として活躍する若手社員の対談を実施。「生産技術」という仕事の魅力、やりがいなどについて語っていただきました。

プロフィール

  • 塩塚 航生

    パナソニック インダストリー株式会社

    工学部 機械工学専攻

    2021年新卒入社。現在は、電子部品「導電性キャパシタ」のプロジェクト担当として工法開発から設備設計まで手がけている。

    塩塚さんのプロフィール画像
  • 竹下 未来

    パナソニック ホールディングス株式会社
    情報工学部 機械情報工学専攻

    2021年新卒入社。次世代半導体を製造するための設備開発プロジェクトで、設備の制御システムの開発を担当。

    竹下さんのプロフィール画像

目次

  1. 生産技術の仕事は、量産設備における「道具づくり」と「レシピづくり」
  2. 不可能を可能にしていくことができるのが生産技術の魅力
  3. 課題解決に向け、前向きな探究心で突き進む
  4. 「好奇心」と「柔軟性」で、ゼロからスタート
  5. 生産技術から生まれる、豊かなくらし

生産技術の仕事は、量産設備における「道具づくり」と「レシピづくり」

笑顔の塩塚さん

生産技術の役割を教えてください。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

高品質、高性能な製品の量産を実現するために、生産プロセスの開発から、生産設備の設計、生産現場での設備立ち上げ、量産開始後の保守・メンテナンスまでを一貫して担当するのが生産技術の仕事です。

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

仕事内容としては、「量産設備の設計」と「新規工法の開発」の大きく2つに区分けできます。量産設備の設計では、生産性を向上させた設備が求められ、これを実現することが企業の競争力を高めることに繋がります。

私が所属する部署では、量産設備の設計を「道具づくり」に例えることがよくありますが、そう考えると、生産性の向上や不良品の削減が求められ、より高品質な製品の提供を目指す新規工法の開発は、「レシピづくり」に近いように感じます。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

なるほど。「道具づくり」と「レシピづくり」という例えは初めて聞きましたが、とてもわかりやすく、的を射た表現ですね。

不可能を可能にしていくことができるのが生産技術の魅力

笑顔の竹下さん

現在の具体的な仕事内容について教えてください。
竹下さんのプロフィール画像
竹下

次世代半導体を製造するための設備開発プロジェクトで、設備の制御システムの開発を担当しています。半導体分野はAI技術の進化により急速に需要が拡大しており、求められる性能もますます高まっています。現在目指しているのは、数百から数十ナノレベルの位置合わせ精度を実現する革新的な半導体製造装置の開発です。

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

私が所属する部署は成形技術 を専門としており、今は半導体への安定した電気供給に欠かせない、キャパシタと呼ばれる電子部品の新規工法開発を担当しています。現状では外部設備に頼っている成形工程を内製化するための取り組みです。

※材料を所定の形状に加工、成形する技術

竹下さんのプロフィール画像
竹下

仕事内容は、担当する生産設備の開発フェーズによって大きく異なります。
例えば設計段階では、お客さまの要望をもとに仕様や使用機器の決定、安全を担保するための保護回路設計、動作フローを実現するためのソフトウェア設計などを行います。
設備を立ち上げて検証段階になると、設計した設備が想定通りの精度で動作できているかを実機で検証し、より高精度にするための要因分析を行います。

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

設計段階ではPCでの仕事がメインで、検証段階になると実機に張り付いてひたすら実験し続けるというイメージですよね?私も同じです。担当する商品やプロジェクトによって具体的な目的やアプローチが異なることもありますが、同じ生産技術という職種なので、共通点が多い気がします。

検証段階では、同じ条件で検証しているつもりでも、結果のアウトプットが違って出てくることも珍しくありません。どうしてそうなったのか、どう対処していくのかを常に考え続けるのが生産技術の仕事であり、自分はそれを楽しいと感じるので、この仕事を続けています。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

私も同じです。考えることが好きなんですよね。思い通りの結果にならないことの方が多いけれど、ああでもないこうでもないと考え続け、トライ&エラーを繰り返していくことで、できなかったことができるようになっていくのがとても楽しいです。

現在の仕事の魅力、やりがいについて教えてください。
塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

製品開発から量産までの幅広いプロセスに関与できる点は、生産技術という職種の魅力の一つだと思います。また、不良率の削減や材料歩留りの向上、生産タクトの短縮など、仕事のあらゆる取り組みが具体的な成果として現れることも、やりがいに繋がっています。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

今まで不可能だったことを可能にできることに魅力を感じています。製品の品質や生産性など、求められるレベルが高ければ高いほど、従来の方法では解決できない新たな課題が多く浮かび上がってきます。こうした課題に直面した時、原理原則に立ち返り、設備の要素技術を一つひとつ深く掘り下げていきます。時には新しい検証ユニットを開発しその効果を実際に試すこともあります。このような挑戦を通じて、性能の限界を追求し、設備の性能を大幅に向上させる成果を得た時には、非常に大きなやりがいを感じます。

課題解決に向け、前向きな探究心で突き進む

笑顔で向かい合う塩塚さんと竹下さん

生産技術の仕事に必要なマインドは何だと思いますか?

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

生産技術の仕事は、どのフェーズにおいても、既存の技術にとらわれずに新しいアイデアやアプローチを考え出し、問題に対処することが求められる仕事です。日々発生するさまざまな課題に対して、「どうすれば改善できるのか」を考え、実行に移し続ける。課題解決に向けた探究心が重要だと思います。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

昨日できていたことが今日できないようなことも起こり得る状況の中で、何が原因なのかを探り続ける。そういった試行錯誤も「成長の一部」と考えて前進するポジティブさと、次の一手を考え続ける粘り強さが必要です。

生産技術として成長を感じられたエピソード、成長環境について教えてください。
塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

工程不良の改善プロジェクトでは、商品の設計開発部門や製造部門などの関連部門と連携して要因の絞り込みを行ったことで、問題解決に向けた分析力やコミュニケーション力といった実践的なスキルが身につきました。例えば、何かを提案するときは一方的に説明するのではなく、それが実現した後にどうなっているかを具体的に提示するなど、相手の状況も踏まえた上でコミュニケーションしていくことで、ビジネスに必要な折衝力が養われたと感じています。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

私の場合、自ら設計に携わった設備の立ち上げをする際に現場で学ぶことが多いです。バグの少ないプログラムの設計方法やメンテナンスしやすい配線方法など、さまざまな観点から設備設計の改善点に気付くことができます。

また、私が担当する設備は、実際に製品を生産するための量産機ではなく、生産プロセスを検証するための検証機であることも多いです。この検証機の完成が少しでも遅れると、量産開始もどんどん遅れていき、製品の市場競争力が低下してしまいます。そういったことにならないよう、関連部門の方々と上手くコミュニケーションを取りながら、スピード感を持って成果を出すという意識が年々高まっています。

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

知識や経験が増えてきたのに伴い、徐々に自分の想いで「こうしていきたい」と行動することが増えました。ただ指示を待つのではなく、自ら能動的に動いていく中で、自分の意見やアイデアが採用・実現される機会も増え、そのことがやりがいや面白みに繋がっています。

パナソニックグループには、若いうちから仕事を任せてもらえる環境や、失敗を恐れずに挑戦できる風土がありますよね。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

大いにあると思います。自ら身に付けたいと思った技術は社内外の研修を通して学ぶことができますし、社外の専門家から指導を受ける機会も多くあります。
上手くいかなくても、周りのサポートを得ながら何度でも挑戦できる。そういった環境があることが、失敗を恐れず、自信を持って取り組める要因の一つかなと思います。

「好奇心」と「柔軟性」で、ゼロからスタート

真剣な表情でパソコンを操作する塩塚さん

生産技術を志望された理由、きっかけについて教えてください。
塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

きっかけは、大学院時代に参加したインターンシップです。それまでは生産技術について具体的な知識がなく、どのような仕事をするのかイメージが湧いていませんでした。インターンシップを通じて、生産技術がモノづくり全体に関われること、また、縁の下の力持ち的な存在として、コスト・品質面から企業競争力を支える影響力の大きい職能であると知り、そこにチャレンジしていきたいと思いました。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

幼い頃から、工場で材料から製品が出来上がっていく様子を特集したテレビ番組が好きで、そのような工場で使われる設備をつくる仕事について調べる中で、生産技術という職種を知ったのがきっかけです。その中でもパナソニックグループは、家電、電子部品、建材など製品が幅広いため、さまざまな製品の生産設備開発に携われると思い志望しました。

自分自身、常に新しいことに挑戦したいという思いがあり、商材ごとに新しい技術が学べる生産技術の仕事は、自分にとても合っていると思います。

「生産技術」という仕事には、どんな人が向いていると思いますか?
竹下さんのプロフィール画像
竹下

モノづくりが好きな人、仮説検証を繰り返しながら問題を解決することを楽しめる人に向いていると思います。生産技術は、商品企画や設計開発、製造、調達など、モノづくりに関わる部門全体との連携が必要な職種なので、コミュニケーション力も求められますよね。

塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

コミュニケーション力は重要ですね。また、私自身もそうなのですが、大学時代の研究内容とは異なる分野でゼロからスタートする人が多いので、新しい技術への好奇心やチャレンジ精神旺盛な人に向いているかなと思います。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

私が所属している部署では、半導体分野のほかにも、燃料電池、家電リサイクル、バイオ分野など、とても幅広い分野の設備開発に取り組んでいます。大学の専攻からは想像もつかない分野の製品を担当できるのは、パナソニックグループの生産技術職ならではの醍醐味かもしれませんね。

生産技術から生まれる、豊かなくらし

真剣な表情で設備の確認をする竹下さん

仕事を通じて、今後実現していきたい夢について教えてください。
塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

どんなに素晴らしい製品があっても、それを生産していく土壌がないと意味がありません。製品を活かすも殺すも生産技術次第です。他社に追従を許さないような生産技術を多く生み出し、製品の市場での競争力を持たせることに貢献していきたいと考えています。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

自らが開発した設備が世界中で導入されること、そこで生産された製品で、人々のくらしが豊かになることが仕事を通じて実現したい夢です。そのためにはどこよりも早く、どこよりも高品質な設備を開発する必要があります。生産技術として、これまでの設備の開発フローを根本から見直し、世界トップレベルの設備開発でパナソニックグループの競争力を高めるための新たな仕組みづくりにも挑戦したいです。

このような挑戦を通じて、世界初、世界最高水準の製品を生産することが、持続可能な社会を実現し、私たちのくらしを豊かにすると信じています。

「生産技術」を志望、あるいは興味がある学生のみなさんにメッセージをお願いします。
塩塚さんのプロフィール画像
塩塚

自分の研究分野だけでなく、広い視点でいろいろなことに興味を持てる、好奇心旺盛な人に向いている仕事です。パナソニックグループの生産技術の仕事は本当に多岐にわたるので、楽しみながら成長できると思います。

竹下さんのプロフィール画像
竹下

ほとんどの人がゼロからのスタートです。新しいことに挑戦したいという気持ちさえあれば、必ず活躍できる場が待っているので、安心して飛び込んできてください。

並んで立つ塩塚さんと竹下さん

*所属・内容等は取材当時(2024年12月)のものです。

パナソニックの
#はたらくってなんだろう 一覧へ