パナソニックグループでは、経営方針のひとつである「デザイン経営」を実践する為に、BTC(ビジネス、テクノロジー、クリエイティブ)人材の採用、育成に力を入れています。今回は、CREATIVE WORKSHOP経験者に話を聞きました。
2023年04月
プロフィール
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人事担当:太田美帆(おおた・みほ)
パナソニック オペレーショナルエクセレンス株式会社
青山学院大学 文学部 英米文学科卒業
2019年入社。現在新卒採用・インターンシップやワークショップ企画を担当。 -
ワークショップ経験者:松本晴子(まつもと・はるこ)
愛知県立芸術大学 美術学部 デザイン工芸科
大学2年生では、地元企業の方と商品の開発をするワークショップなどに参加。学内以外のコミュニティ活動にも積極的に取り組んでいた。卒業制作のテーマは「食のパーソナライズ」に関する研究。 -
ワークショップ経験者:田中学(たなか・まなぶ)
千葉大学大学院 融合理工学府
趣味のカメラの延長として、映像制作にも力を入れていた。学部時代の卒業研究では「サステナブルデザイン」について研究し、コンビニのフードロスを減らし、消費者に意識付けさせるサービスを提案。大学院ではVlogをテーマに研究。
「大企業ってこんな感じかな」というイメージが覆された
僕も業界や特定の企業などにこだわらず、広義での「デザイン」に関われる企業を探していました。パナソニックグループなら幅広い事業を持っているから、きっといろいろなクリエイティブに携われるし、先輩方からもさまざまな知見が学べると思ったんですよね。それに、自分がつくるものに愛情を注ぐためには、委託された仕事をこなすよりもインハウスで、自社製品をつくるほうがいいんじゃないかと感じていました。
すごくわかります!私も自分が長く愛せるものをつくっていきたいから、インハウスデザイナーになりたかったんです。
おふたりがCREATIVE WORKSHOPで取り組んだプログラムについて簡単に教えてください。
私が参加したテーマは「パナソニックグループの当たり前を見つけて、それを変える広告を考える」でした。シンプルな課題だけど、まだあまりよく知らない企業の「当たり前」を見つけるのって、それだけですごく大変で......こんな難しい課題を出してくるなんて!って思いました(笑)。
結局、私はパナソニックグループ製品のこだわりや造形美に着目。中でつくっている人たちは、そのすごさを当たり前に感じているんじゃないかと考え、製品の美しいラインやシルエットを解説する図鑑を提案しました。そうしたらメンターさんに「松本さんの考えをもっと反映した方がいいんじゃない?」と言われて......でも、そうやってより良くなるための改善点やポイントをズバリ指摘してもらえるのが、すごくありがたかったですね。なんとなく褒められて終わってしまうよりも、自分の成長につながるフィードバックだなあと感じました。
そのあとは正直に「パナソニックグループって、特長が多すぎてどうすればいいかわからない」と相談し、メンターさんからもたくさん意見をもらいながら、少しずつコンセプトを練り直しました。
僕はUXデザインコースで「サステナブル社会における"くらしの質"を豊かにするイエナカサービス」をつくりました。「イエナカ」と聞くと、家で過ごす時間ばかり想像してしまうけれど、くらしの価値観が多様化していくなかで、イエナカの定義も変わってきているはず。特定の家を持たずにさまざまな場所を転々としながら生活する方なら、ゲストハウスでの体験やそこで出会う人との交流までが「イエナカ」に含まれると考えて、そういう方々向けの宿泊予約やコミュニティのサービスを提案しました。
「イエナカ」の定義をとらえ直す、というのが面白いですね。
いままでは与えられたテーマをそのまま受け取ることが多かったけれど、今回はあえて前提を疑ってみたんです。これはすごくいい"考え方の練習"になりました。進めていく案を決めて、具体的なアウトプットを制作しているときには、その都度メンターさんが相談に乗ってくれたのが助かりましたね。他社のインターンシップやワークショップに参加したり、友だちからの話を聞いたりした中で、現役社員とマンツーマンでここまで壁打ちさせてくれる会社は、なかなかないと感じました。
コミュニケーションが頻度高く、丁寧ですよね。私は、社員の方々の働く姿勢にも魅力を感じました。これほどの大企業なのに、一人ひとりが「当社のクリエイティブをもっとよくしていくために、どうしたらいいか?」を考えているのが、よく伝わってきて。自らアクションを起こして、会社に必要だと思う広告をつくりあげ、提案まで進めたという社員さんの話を聞いたときは、それほど能動的に働けたら面白いだろうなと感じました。
オンラインでも大丈夫。課題に全力投球して得られるもの
あと、横のつながりを感じられたのもよかったです。初日にプレゼンした案に、学生同士でフィードバックする機会があって、すごく刺激になりました。
学生同士でのフィードバック、貴重な機会ですよね。私もいくつかインターンシップやワークショップに参加したけれど、そんな機会があったのはパナソニックグループだけだったと思います。お互いの印象なんかも話し合って、課題だけでなく、今後の就活に生かせる気づきももらいました。
当時はコロナの流行で、オンライン型のインターンシップやワークショップが主流でしたよね。「開始直後はコミュニケーションが取りづらい」といった学生さんからの声を受けて、ブレイクアウトの時間を長めにとったり、休憩中に一緒にオンラインランチができるルームを設けたり、運営側でもいろいろ試行錯誤をしながら工夫をしてみました。そのあたりはいかがでしたか?
オンラインでも全然問題なかったですね。むしろ、集中して作業をしたり、メンターさんと深く話し込めたりしてよかったと思います。大人数の懇親会などでも、Zoomのブレイクアウトルームでいろいろな部屋を渡り歩いて、多くの方と交流できました。チームによって働く人の雰囲気が違うことなんかも、たくさん伝わってきましたよ。
大学の授業もオンラインが多かったから、慣れていたんですよね。移動がない分、作業も効率的に進められました。
学生のみなさんからも、オンラインは国内外問わず、どこからでも手軽に参加できることに好評をいただいています。おふたりはCREATIVE WORKSHOPの経験を通してどんな気づきを得られましたか?
CREATIVE WORKSHOPだからこそ得られる経験値って大きいと思うんです。私は課題を通じて、自分の視野の狭さを知りました。いままでは、自分のなかにある知識や経験だけでものをつくろうとしていたんだけど、自分の外からアイデアを引っ張ってくるのも大事だって気づいた。他の大学から来ていた学生さんには、いろいろなデータを調べたうえで、事実に基づいた案ばかりを出している人もいて、素直にすごいなって刺激を受けました。
課題をやってみないと見えてこないものがたくさんありますよね。僕が課題で考えたのは、パナソニックグループの主力事業からは少し離れたサービスだったけど、それでもプレゼンを興味深いと聞いてくださって、懐の広さを感じたというか......すごく柔軟なんだなと。「くらしやデザインはこうあるべきだ」という固定概念がないところが、魅力的に映りました。ここなら自分の目指す"広義のデザイン"ができる気がしたんです。
ご自身の学びを得ていただいていて、すごくうれしいです!ワークショップに参加するときだと、自分自身のことを深く理解できていない学生さんも多いと思うんですね。だからパナソニックグループでは「会社のことを知ってもらいたい」ではなく、「学生さんに自分のことを知ってほしい」「新しい価値観を得てほしい」という気持ちで、コンテンツをつくっています。ワークショップで得た気づきをご自身の価値観に照らし合わせて、そのうえで「パナソニックグループで働きたい」と思ってもらえたら嬉しいです。
パナソニックの魅力は、幅広い事業領域だけじゃない
仕事内容や会社の雰囲気にも共感しましたが、最終的に入社の決め手になったのは、「人」だったなと思います。ワークショップの最終プレゼンで細かい説明がしきれなかったときは、質疑応答で「本当はここもこだわってるんだよね」なんてフォローしてくれたり......本当に素敵な方がたくさんいました。
人ですよね、わかります!課題に取り組んでいても、私の意見を一通り聞いてくださったうえで別の提案をしてくれたりするのがうれしかったです。入社してからも先輩方と意見交換をしながら、いいモノづくりができそうだと感じました。これからこの環境で自分を磨き、ブランドコミュニケーションに力を尽くして、いつかパナソニックグループの「顔」となるようなイメージをつくりあげていきたいです。
僕は、誰もが知るコンテンツをつくって、より多くの人を幸せにするのが目標です。まずは、消費者との距離が近い「食」の事業に関わりたいです。たくさんの人に自分のクリエイティブに触れてもらえるかと思うと、わくわくしますね。
おふたりの活躍、楽しみにしています!
*記事の内容は取材当時(2022年8月)のものです。
私が志望していたのは、自社で開発・制作をしている企業でした。それでパナソニックグループにも興味を持ったんですが、最初は「大企業」というくらいのイメージしかなくて......。でも、だからこそ参加することで、パナソニックグループのリアルな情報がたくさん得られると思ったんです。他の大学に通っている志望者の方々がどんな感じなのか、見てみたかったのもありますね。