パナソニックの#はたらくってなんだろう

活況の電池市場で独自の地位を確立する、経営改革の第一章

笑顔の長野さん

「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現。」をミッションに掲げる、パナソニック エナジー株式会社(以下、PEC)。エナジー事業を通じて世の中の環境課題解決に取り組む同社では近年、「デジタルを活用した経営のオペレーション改革」を推進しています。同社の経営改革の現在地と、これから入社する人財が担う役割について、常務執行役員 CIO 情報システム革新センター所長の長野修氏にお話を伺いました。

プロフィール

  • 長野 修

    パナソニック エナジー株式会社
    常務執行役員 チーフ・インフォメーション・オフィサー(CIO) 情報システム革新センター所長

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目次

  1. 高い技術力で高品質な電池を提供し、環境課題の解決に貢献
  2. 大規模な改革は始まったばかり。行動が結果に表れる面白さ
  3. 前向きに挑戦し、グローバルやメンバーに影響を与える幹部候補への期待

高い技術力で高品質な電池を提供し、環境課題の解決に貢献

笑顔の長野さん

はじめに、PECの事業概要から教えてください。

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長野

PECは、「幸せの追求と持続可能な環境が矛盾なく調和した社会の実現。」をミッションに掲げ、社名の「パナソニック エナジー」にもある通り、電池の製造・販売を主な事業として展開しています。CO2排出による地球温暖化の問題をはじめ、世の中にはさまざまな環境課題があります。電池はこうした環境課題の解決に貢献する商材であり、電池を世の中に供給し私たちの事業を成長させることが世の中への貢献になると考えています。

当社の事業を大きく2つに分けると、1つは車載事業です。EV車に搭載する電池を、アメリカや日本を中心に供給しています。もう1つが産業・民生事業です。一般的にもよく知られたパナソニックの乾電池、またデータセンターや医療機器のバックアップ用、電動アシスト自転車に使われる電池を提供しています。

業界の変化のスピードに対応するため、PECは2022年4月にパナソニックグループの電池部門を集結し、事業会社化しました。これにより一定の裁量権を得たため、投資や事業戦略に関する判断が早くなり、経営スピードが上がったと実感しています。PEC独自の人事制度や採用に関しても、非常にフレキシブルに動けるようになりました。

電池事業を取り巻く環境や市場のなかで、PECが発揮できる強みや優位性は何だと思われますか。

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長野

ここ10年のEV市場は「EVバブル」といえるような盛り上がりが続いていましたが、近年になってその加熱が落ち着きつつある状況です。とはいえ、伸び方がやや鈍化しただけで、電池の市場は今後も間違いなく大きく伸びていきます。

そのなかでは、技術革新があったり、電池の原材料が変わっていったりといったことが起こるでしょう。例えば、「レアメタル(希少金属)」という言葉を聞いたことがあるかもしれませんが、近年原材料であるリチウムの確保が以前よりも難しくなり、価格が高騰しています。しかしPECでは原材料が高騰したからといって製品価格にダイレクトに反映させるのではなく、サーキュラーエコノミーの考え方に基づき、リユースやリサイクルに取り組むことでできるだけコストを抑えようとしています。

技術力を高め、より高品質で安定した電池を提供していくことも重要です。今後EVで使われる電池はより大容量になっていくため、その分、トラブルがあった際のリスクも大きくなります。こうしたリスクをしっかりと抑え込み、大容量で高品質な電池をつくれる技術力が、当社の競争優位性といえます。

DXではなくXD。アナログとデジタルの両輪で経営を変革

会議中の長野さん

「デジタルを活用した経営のオペレーション改革」を推進されている背景や狙いを教えてください。

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長野

「デジタルを活用した経営のオペレーション改革」と聞くと、「DX」という言葉を想起されるかもしれません。しかし、当社ではあえて「DX」という言葉は使いません。むしろ「XD」だと考えています。なぜなら、何をトランスフォーメーションするか経営改革の柱を決めたうえで、そこに対してどうデジタルを活用するかが重要だと考えているからです。「経営改革withデジタル」と言い換えてもよいかもしれません。

「モノづくりをするうえでは、アナログとデジタルの両輪でレベルを上げていく必要がある」というのが私たちの思いです。経営改革に取り組むにあたって、デジタルを使って効率的にできることはたくさんあります。一方で、アナログはアナログで、技能やノウハウなど次世代に伝承していかなければならないものもあります。

まずデジタルありきではなく、経営改革あってのデジタルだと私は考えています。

大規模な改革は始まったばかり。行動が結果に表れる面白さ

笑顔の長野さん

「デジタルを活用した経営のオペレーション改革」における具体的な取り組みを教えてください。

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長野

取り組みは次の4階層を想定しています。1階層目がインフラ。2階層目がオペレーション。例えば受発注や生産実績の管理です。3階層目がそれらを活用した日々のマネジメント。4階層目が事業戦略を立てるためのデータドリブン経営です。

そのなかで私たちが今注力をしているのが1階層目と2階層目です。現在国内外で新しい工場を立ち上げており、2025年、2026年には生産拠点として軌道に乗せていかなければなりません。そのため、2027年までにはこの1階層目、2階層目をしっかりと築き上げたいと考えています。

今後ご入社いただく方には、大規模かつグローバルなプロジェクトに参画していただくことになります。例えば2階層目のオペレーションでは、単純化・標準化を進めることで効率的・先進的な業務プロセスの変革につなげる必要があります。それに加えて、アプリケーションとしてのERP(Enterprise Resources Planning:統合基幹業務システム)のバージョンアップを2028年頃までに推進していきます。また1階層目のインフラ面では、国内外で新しい生産拠点への対応が必要となります。こちらも単純化・標準化による変革がポイントとなります。

キャリア採用で入社される皆さんのさまざまなノウハウを生かし、ぜひご意見・ご提案をいただきたいと思っています。

そうした取り組みにエンジニアとして携わる魅力にはどのようなものがありますか。

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長野

当社にはコンサルティングファームの出身者も結構いますが、彼らから「コンサルティングファームではクライアントのためにソリューションを導入したらそこで取引を終了することが多く、結果が見えづらい」と聞くことがよくあります。一方で、彼らは「PECでは自分の会社をより良くするためにした行動が結果として返ってくるし、その結果に基づいて、さらに改善を重ねることができる」と口をそろえます。

もう一つ、コンサルティングファームやSIer(System Integrator)だと、生産や販売、調達など、自身が携わる領域がほんの一部に限られてしまうこともあるでしょう。しかし当社では入り口から出口まで、バリューチェーンの全工程を担当しますので、一連を俯瞰して判断する経験が積めます。

さらに、大手メーカーと比較するとメンバーの人数が少ないので、一人あたりの裁量権や責任範囲が大きい点が特徴です。自分で取り組んで、失敗してやり直す経験は大切ですし、次にもつながっていくと考えています。

これは私見ですが、PECに入社した方が、「この会社で得たものを他の会社で試してみたい」と思えるならそれでもいいと思っています。それだけの力を身に付けた人が、それでもPECにいて、もっと力を付けてさまざまなことに挑戦したいと思える魅力ある環境をつくるのが私の仕事だと思っています。

重要ポストへの抜てきや海外出向など、広がる活躍の場

オフィスの様子

PECのエンジニアとして将来的に見込めるキャリアや、グローバルを含めた活躍のフィールドの広さについても教えてください。

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長野

キャリアパスという意味ではさまざまなチャンスがあります。

今後、役職者のなかで60歳を迎える人がいたり、事業拡大に伴ってポストが増えたりするなかで、そうしたポストに若手メンバーを抜てきしたいと考えています。一人一人に渡す業務範囲や責任範囲は広くなりますが、われこそはと思う方にぜひチャレンジしていただきたいです。

また、グローバルに活躍する場もあります。2022~2023年の2年間で延べ約80名が海外出張へ行っていますし、情報システム革新センターのメンバー約50名のうちの1割が海外の工場もしくは営業所に出向しています。

現在の人数分布で見ますと、情報システム革新センターのメンバーの半分以上がキャリア採用ですので、さまざまな知見や経験を持った人財が入り交じりながら仕事をしています。こうした環境でぜひご自身を成長させていただきたいです。

前向きに挑戦し、グローバルやメンバーに影響を与える幹部候補への期待

オフィスと長野さん

PECではどのような人財を求めていますか。

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長野

一言でいえば、将来的な幹部候補として、グローバルで活躍していただける人財です。特に、即戦力としてマネージャーを務めていただける方を歓迎します。というのも、マネジメント人財が不足しており、責任者のポストは現状兼務をしているメンバーが多い状況です。そうしたポジションで実力を発揮していただける方をお迎えしたいです。

これから入社していただく方に求めるのは、前向きに挑戦できるマインドです。そして、物事を理論的に考え、メンバーに的確に伝えられる力です。加えて、何らかのビジネスプロセスに関わった経験があると望ましいです。ITのナレッジよりも、課題を抽出して論理的に考えを組み立てられる方、プロセスの構築や提案ができる方を求めています。

また、マネージャーになっていただく方には、プロジェクトマネジメントだけではなくピープルマネジメントの経験を求めたいです。部下と円滑にコミュニケーションを取り、導いていける方は誰にも代えがたい存在になるでしょう。

実際にキャリア入社から活躍されている方には、どのような方がいらっしゃいますか。

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長野

当社でマネージャーとして活躍している人は、コンサルティングファームなどの出身者が多いです。インフラ系はSIer出身者など、その分野の専門知識を持つ人が多い印象です。一方で、製造業出身者はまだまだ少なく、採用を強化したいところです。

キャリア採用で入社している人は皆、前向きな気持ちを持っています。「この職場は本当に楽しい。もっとよい環境をつくるためにはどうしたらよいだろうか」という思いを強く感じます。そうした人たちが課題を整理して、この職場に足らないものは何か考え、提案をしてくれます。

実際に、先日も提案書を持ってきてくれた人がいました。「私たちの職場はITの専門性を身に付けなければならないのに、新入社員教育がうまくいっていないのではないか」という課題を感じ、解決策の一つとしてIT専門会社へ出向を提案してくれたのです。

この提案に対してはきちんと予算を付けてプロジェクト化し、提案者を中心に調整や仕組み化をお願いしました。こうした前向きな提案は、私たちも非常に評価しています。自分たちの発意で動くことが重要だと思っています。

一つの専門性を極めるよりも、いかに事業成長に取り組めるかが大切

最後に、記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。

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長野

マネジメントやITソリューションなどさまざまな専門性がありますが、PECは一つの専門性に突出した人財を育てる会社ではありません。なぜなら、プロジェクトマネジメントはPMOに、ITソリューションは外部のSIerにお任せすることもできるからです。それよりも自分の芯を持って、この事業を成長させようと前向きに業務に取り組んでいただきたいと思っています。

それに、たとえ入社時に専門的なデジタルスキルが高くなくても、入社後に身に付けていただければ問題はありません。それを後押しする研修制度に関しても、この1~2年でスキームづくりをしていく予定です。必要であればすぐにでもマネージャー陣と調整し、事業計画にも盛り込み、スキルや専門性を身に付ける機会を提供したいと考えています。

この事業に携わりたいと前向きに考えていらっしゃるチャレンジ意欲のある方は、ぜひご応募いただけたらと思います。

出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック エナジー株式会社」(2024年7月11日公開)より転載

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*所属・内容等は取材当時(2024年7月)のものです。

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