パナソニックの#はたらくってなんだろう 車載用充電器で世界をリードするPASが、EVの未来を切り開く

オフィスに笑顔で立つ3名

地球環境を守り、持続可能なモビリティ社会を実現

自動車関連の製品や技術を開発・生産・販売するパナソニック オートモーティブシステムズ(以下、PAS)。近年需要が高まっている電気自動車(以下、EV)の車載用充電器の開発に早期から取り組み、市場において世界有数のシェアを誇ります。さらなる技術革新を進めるべく採用を強化している同社が描く事業戦略や、高電圧・高出力車載用充電器の開発にかける思いについて、充電器ビジネスユニット(以下、充電器BU)で活躍する3名にお話を伺いました。

2023年03月

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「地球環境への貢献」こそ、充電器BU最大のミッション

プロフィール

  • 奈義良 康之

    パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
    充電器ビジネスユニット長

    写真:奈義良 康之さん

PASにおける充電器BUのミッションをお聞かせください。

充電器BUのミッションは、温暖化や気候変動などの地球を取り巻く環境問題解決への貢献です。当ビジネスユニットでは、パワーエレクトロニクスの技術を使って車載用充電器の研究開発や製品提供を行っていますが、これは脱炭素社会を実現するうえで必要不可欠な技術です。電力ロスの削減や技術・ビジネス革新に向けて、効率的な電力変換技術を確立し、脱炭素社会の実現と地球環境保全に貢献する。それこそが充電器BUの目指すところです。

車載用充電器の現在の市況と、市場におけるPASの立ち位置について教えてください。

2021年に開催されたCOP26(第26回気候変動枠組条約締約国会議)において「販売される全ての新車を、主要市場では2035年までに、世界全体では2040年までに、温室効果ガスを排出しないEV等のゼロエミッション車とすることを目指す」という共同声明が発表されました。これに伴い、EVの需要は急速に高まっており、車載用充電器の市場も2020年からの10年間で、年平均成長率20%を超える成長が予測されています。

こうしたなかで、当社は早い段階からEV市場をけん引する複数の欧州カーメーカー様と取引を開始しており、強固な信頼関係を構築できている点は大きなアドバンテージといえます。

もともと当社は他社に先駆けて、2008年ごろから車載用充電器の研究開発に着手し、2012年には日系カーメーカー様へ製品を提供。2014年には欧州カーメーカー様のEVへの搭載に向けて開発を開始しました。2017年には注力事業である9.6/11kWや22kWの高出力充電器の開発を行い、現在は全モデルの量産を完了しています。

中国系企業が多数台頭している低出力充電器の市場に比べ、高出力充電器の市場はプレーヤーが少なく、特に22kWの車載用充電器を提供できる企業は、現在当社を含めて世界で2社のみです。その意味では、高出力充電器市場において、高い先行者優位を有しているといえるでしょう。

とはいえ、市場をリードする欧州のカーメーカー様の製品要求の水準は非常に高く、現状に甘んじるわけにはいきません。お客様のニーズを起点にして継続的に製品を磨き上げ、社会的価値の創出に尽力していきたいと考えています。

私個人としても「企業は人を幸せにするためにある」と考えていますし、われわれのミッションに共感し、ともに地球環境保護や持続可能なモビリティ社会の実現に向けて取り組んでいただける方が仲間になってくださればうれしいですね。

パワーエレクトロニクスを中核とした技術開発を加速し、シェア拡大を狙う

着席して話す奈義良さん

充電器BUとして、今後どのように事業を成長させていくのか、描いているビジョンについて教えてください。

11kW以上の高出力充電器を搭載したEVは、今後ますます市場規模を拡大していくことが予想されます。さらに、EVのシステム電圧は400Vから800Vへとすでに高電圧化への移行が始まっています。そのため、当社では今後400Vの製品ラインアップに加え、最新のパワーエレクトロニクス技術を用いた、800Vの製品開発を加速しています。

800Vシステム電圧かつ11kW以上の高出力の充電器となると、製品開発の難度は極めて高いです。充電器は変換効率が落ちると熱ロスが発生しますし、車両のEMC試験(エミッション試験※1、イミュニティー試験※2)もクリアしなければなりません。そのため、パワーエレクトロニクス技術に加えて、冷却や放熱の技術、ノイズ対策で絶縁を踏まえたメカニカル技術も必要になります。

※1:Electro-Magnetic Interference(電磁干渉) ※2:Electromagnetic Interference(電磁障害)

これまで培ってきた高出力充電器を最大効率で動作させる、高度なパワーエレクトロニクス回路の構築技術や制御技術などの強みを中心に、技術をさらに進化させることが必要です。800V高電圧化の環境変化をとらえて、さらなるグローバルシェアの拡大を図っていきます。

充電器BUではどういった方が活躍できるでしょうか。

当社が目指す、環境問題などの大きな社会課題の解決に向けて、主体的に取り組める方だと思います。現在、当社では高出力充電器の量産化を実現していますが、そこに至る道のりは決して平たんではありませんでした。今後も、同様の困難はきっと数多くあるでしょう。

立ちはだかる数々の壁を乗り越えていこうとする姿勢やマインドは、われわれが何よりも大切にしている部分です。仮に失敗したとしても、そこから新たな学びを得て前に進んでいける方は、必ずや当社でご活躍いただけると思います。

充電器BUでは、すでにキャリア採用で入ってこられたたくさんの方々が即戦力として国内外で活躍しています。かくいう私も、キャリア採用で参画した一人です。入社後数年で組織責任者になる人や、欧州拠点で指揮を執っている人もいますし、「中途だから」と遠慮するような風土は全くありません。イノベーションの源泉は何といっても多様性です。私たちの組織に新たな風を吹き込んでくださる方からのご応募をお待ちしています。

海外カーメーカー様との協働で、次世代の車載用充電器を開発する

プロフィール

  • 平井 卓哉

    パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
    充電器ビジネスユニット 技術開発部 ハードウェア開発課 課長

    写真:平井 卓哉さん

平井さんが所属されている技術開発部ハードウェア開発課のミッションや役割をお聞かせください。

技術開発部ハードウェア開発課は、パナソニックで開発しているすべてのEV向け車載用充電器の電気設計を担う部署です。部署内にはパワーエレクトロニクス係と制御係が設けられており、すでに量産化している車載用充電器の電気設計に加え、次世代に向けた車載用充電器の要素開発なども行っています。また、カーメーカー様と共同で新たな車載用充電器開発も手がけており、技術開発に関する提案やプレゼンテーションなども担当します。

着席して話す平井さん

平井さんは海外勤務の経験があると伺っています。海外勤務時の仕事の内容やエピソードをお聞かせください。

2014年から約7年間、ドイツやスペインなどの欧州拠点で勤務していました。2014年当時、当社は車載用充電器の実用化を開始したばかりであり、欧州カーメーカー様とも初めての取引契約を結んだ時期でした。そこで、欧州におけるお客様との信頼関係構築および海外支社の技術力底上げを、私が担うこととなったのです。

欧州勤務のなかで特に衝撃を受けたのは、日本と欧州のカーメーカー様の開発プロセスの違いです。日本のカーメーカー様は、要求書の作成段階から部品メーカーが参画し、打ち合わせを重ね開発しながら仕様を決定していくのに対して、欧州のカーメーカー様は詳細かつ膨大な要求書をまず提示し、その仕様を厳守した設計や開発を求めます。

日本での開発プロセスに慣れ親しんでいた私にとっては戸惑いも多く、お客様と意見が衝突することもありました。しかし、時に主張し、時に譲歩しながら信頼関係を築き上げ、最終的には車載用充電器の量産化に至ることができました。

現在ではプロジェクトの受注数も増加し、欧州拠点に車載用充電器の知見を根付かせることにも貢献できたのではないかと感じます。約7年にわたる欧州勤務を通じて裁量の大きな仕事を経験でき、「仕事を通じて自己実現を果たす」という実感を得られました。

EVの普及を通じて「社会の風景」を変えたい

充電器BUで働く魅力ややりがいについて教えてください。

現在、世界のEV市場をけん引しているのは欧州カーメーカー様ですが、その欧州カーメーカー様と取引がある車載用充電器メーカーは、国内では現在PASのみです。また、車載用充電器は、EV化の急速な進展に向けて、今まさに技術的な進化の真っただ中にあるため、お客様である欧州カーメーカー様からは非常にチャレンジングな要求書が提示されます。

民間企業や大学、研究機関など、パワーエレクトロニクスを研究する組織は数多くありますが、市場からの高い要求に応えつつ、コモディティ化していない最先端の技術を追究できるのは、当ユニットならではの大きな魅力といえます。

また仕事を通じて、環境問題の解決などに携われることもやりがいになっています。EVのさらなる普及によって、大きな社会的変化が生じることが予想されています。化石燃料依存からの脱却や地球温暖化の緩和など、今世界で起きている問題の解決に貢献できることは、働くうえでの大きなモチベーションです。

今後のキャリアの展望をお聞かせください。

個人的な目標は、EVの普及を通じて、社会の風景を変えることです。昨今、EVに多くの注目が集まっていますが、日本での普及率はまだ1%程度しかありません。裏を返せば、変化の余地が膨大に残されているということでもあります。10年後、20年後、私たちが開発した車載用充電器を搭載したEVが、日本だけでなく、世界のあらゆる街を走行している。そんな光景を思い描きながら、新たな技術に挑戦していきたいと考えています。

子どものころに見ていた「ドラえもん」の世界は、そう遠くないと感じています。車載用充電器に限らず、家電や鉄道などのさまざまな領域でパワーエレクトロニクスに携わっていた方と一緒に、壮大な目標に向かってともに前進していけることを楽しみにしています。

笑顔の平井さん

「世界中で求められる製品」を開発することは、何よりのモチベーション

プロフィール

  • 宮松 由貴

    パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社
    充電器ビジネスユニット 技術開発部 メカニカル開発課 構造係 主任技師

    写真:宮松 由貴さん

宮松さんの所属部署である技術開発部メカニカル開発課のミッションや役割をお聞かせください。

技術開発部メカニカル開発課は、車載用充電器全般の機構設計や開発業務を担当する部署です。量産化に成功した機種のさらなる改良に加え、次世代機種の企画構想や新規開発なども行います。

私がこの部署に異動してきたのは2017年4月で、その直後から現在まで欧州カーメーカー様向けの車載用充電器の開発プロジェクトに参画しています。車載用充電器の特徴は、開発に長い期間を要する点です。私が最初に参画した開発プロジェクトも、すでに量産化には移行しているものの、プロジェクトは現在も継続しています。

開発プロジェクトにおける私のミッションは、ステークホルダーからの要求仕様を機構設計に反映することです。技術的な知見に加え、コミュニケーション力も求められるポジションですが、プロジェクトメンバーとお客様をつなぐハブのような存在になれるよう、丁寧なやりとりを心がけています。

宮松さんにとって、パワーエレクトロニクスの開発の魅力は何でしょうか。

パワーエレクトロニクスは、持続可能で地球環境に優しい、次世代型の暮らしを実現するうえで欠かせない技術です。今後、EVの需要は急速に拡大する見込みですし、家電製品などへの活用もますます進んでいくと思います。

そうした成長市場のなかにあって、PASは高出力充電器で世界有数のシェアを誇っています。世界的に需要の高い製品を、市場をけん引する立場として開発できるのは、技術者として幸せなことです。

また、開発期間が長期にわたり技術的な壁も高いぶん、その壁を乗り越えたときの喜びも非常に大きいです。

私自身、これまでに数々の課題に直面してきました。自動車は灼熱(しゃくねつ)から極寒までさまざまな環境を走行するため、車載用充電器の信頼性試験は多岐にわたります。試験中にトラブルが生じ、原因を再調査するために開発がストップすることもあります。しかしそうした困難があったからこそ、技術者として成長できた部分も大きく、一筋縄ではいかない部分も含めてパワーエレクトロニクスの魅力だと感じています。

EVの普及が進む「今」だからこそ、参画する価値がある

笑顔で話す宮松さん

宮松さんは20年以上、技術者として貴社に勤務されていると伺っていますが、PASでキャリアを重ねる魅力はどんなところにあるでしょうか。

私がPASで働き続けているのは「チャレンジできる環境がある」ということが大きいです。車載用充電器の技術は日進月歩で進化しており、それに伴ってPASでも新たな技術の開発に次々と挑戦しています。今後は800Vの高出力充電器の開発も見据えていますし、常に技術的価値の高い開発に携われることが、モチベーションにつながっています。

また、パナソニックグループにおける品質基準や人材レベルの高さも魅力の一つです。当グループの品質基準は業界でも定評がありますし、社内にはグループからの異動者やキャリア入社者を含め、極めて優秀な人材が集結しています。高度な技術に触れられる環境のなかでキャリアを重ねていくことで得られるものは非常に大きいと思っています。

最後に、応募を検討している読者の方にメッセージをお願いします。

充電器BUには、さまざまなバックグラウンドを持った人が集まっているため、業務の進め方やナレッジの共有などの仕組みが整っています。また、技術者が独自で学習に取り組めるマニュアルの整備も進んでおり、個々のスキルを高めていける環境づくりを積極的に行っています。転職に不安をお持ちの方も安心していただけたらと思います。

現在、EVの普及は急速に進んでいます。社会が大きく変わろうとしているこのタイミングで、最先端の高出力充電器やパワーエレクトロニクスに携われるのは、キャリアのなかで大きな価値につながることは間違いありません。「次世代の暮らしを担う技術や製品に携わりたい」という方は、ぜひお話だけでも聞きにきてください。

出典:ビズリーチ 公募ページ「パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社」(2022年12月20日公開)より転載
https://www.bizreach.jp/job-feed/public-advertising/baerinn/

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*所属・内容等は取材当時のものです。

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