パナソニックの人 松澤 太郎

仕事場と松澤 太郎さん

業務変革で「攻めの経理」を突き詰め、
より良い経営につなげたい。

経理 松澤 太郎

「正確に決算を行い、会社の経営状況をステークホルダーに正しく開示する。それが一般的な経理の業務ですが、私たちはそれだけに留まりません」。本社の経理・財務部に所属している松澤太郎は、パナソニックの「経理」の特長を明快に語ってくれた。「決算の数字を分析して課題を抽出した上で、業績改善へ施策を描いて経営陣に提案し、さまざまな部門の方々とともに実行につなげていく。そこまでが私たちの役割。パナソニックが『攻めの経理』と言われるゆえんです」。

しかし近年、会計基準も税法も高度化。経営判断についても、グローバルな視点がよりスピーディに求められるようになってきた。それにより業務は増加し、複雑化。そこで立ち上げられたのが、松澤がマネジメントを担当する「MIRAIプロジェクト」だ。経理・財務のルーティーン業務をデジタルテクノロジーも駆使して再設計することで効率化し、「攻め」により磨きをかけて会社に対する価値・貢献を高めるのが目的。「『MIRAI』というワードには『自ら自分たちの未来をつくっていく』という思いが込められています」。プロジェクトにかける松澤たちの意気込みが垣間見えた。

プレゼンをする松澤 太郎さん

パナソニックの経理・財務に携わる社員は、グローバルにみて数千名に及ぶ。そのなかから約300名がこのプロジェクトに参画。13のワーキンググループに分かれ、経営管理や経理・財務業務に関わる業務プロセス、それを支える制度、システム基盤、人財開発、意識・風土といった幅広い領域で課題を洗い出し、変革をめざしている。たとえば、同じ決算業務でも事業が異なることにより何パターンものやり方があるが、そこからベストな方法を見出して一元化。負荷は少なくないが、「バックグラウンドの異なるメンバーが一丸となって取り組むプロセスは、大いにやりがいがあります」と語る松澤。2025年を大きなマイルストーンと位置付け、取り組みを推進している。

入社16年目。経理・財務一筋に歩んできた松澤だが、実は学生時代からの目標ではない。内定時は「営業希望」。ところが、その後の配属面談で「経理向きだね」と言われた。「戸惑いました。でも話を聞いていくうちに、パナソニックならではの『攻めの経理』に強く惹かれました」。入社後、最初の配属先であるデバイスの営業本部で、伝票の精査や正確な決算といった経理の土台となる「守り」の役割に加え、経営を良くするための「攻め」の役割の重要性を強く実感。以降、工場や事業部、本社とカンパニーも跨った国内外のさまざまなフィールドで、「守り」だけでなく「攻めの経理」としての実践力を身に付けてきた。その軌跡は「事務作業」という経理のイメージとはかけ離れ、実にアクティブだ。

パソコンを操作する松澤 太郎さん

「特に7年間のアメリカでの仕事は忘れられない経験でした」。松澤は、まず航空機向けエンターテインメントシステムを扱うアメリカのグループ会社で、連結経営管理の導入や子会社に対する経営助成を担当。そして買収先の衛星通信サービス会社に弱冠33歳ながらCFO(最高財務責任者)として出向し、事業戦略の策定や業績・財務の統括はもちろん、事業構造改革にも着手した。未知の事業領域で、経営陣、かつ唯一の日本人として試行錯誤の日々。グローバル展開する事業運営の難しさや、事業の再建に向けた取り組みを通じて、経営するということの責任の重さと醍醐味を身をもって感じたと松澤は言う。そして加えた。「すごく成長できた7年ですが、それ以上にもっと成長しないといけないと痛感した7年でした」。

海外出向で得た実績と経営への新たな目標を携え、現職に就いた松澤は、次世代の経営者育成を目的とした社内研修を受講。事業の成長を通じて社会貢献できる経営者になりたいという思いを強くする。研修最後、社長を前にした決意表明では「めざすは最年少事業部長です」と宣言。決してそれ自体が目的やゴールではない。それぐらいの気概を持って日々の仕事に取り組みたいという信念のあらわれだった。「頑張ってください」。社長の言葉が、松澤の背中を力強く押す。

笑顔で語る松澤 太郎さん

アクティブにキャリアを重ねてきた松澤。その向上心は父親譲りという。「父は高等専門学校を卒業後、外資系企業に勤めながら、大学に通い学士号をとりました。アメリカ駐在時には英会話もマスター。さらに50歳を超えてから日本語教師の免許を取得し、定年後すぐに中国で日本語を教え始め、最終的には現地の大学で教鞭をとっていました」。常に勉強し、成長を求め、チャレンジを続けていた父親。その背中を見ていた松澤にとって、自身はまだまだと謙遜する。「経理・財務の強みを軸に、ゆくゆくはプロフェッショナルな経営者に!」。さらなる夢の実現に向けて、これからも果敢に攻め続ける。

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